太鼓丸城跡（地図）

【遺構★★★☆☆   比高350ｍ】

【感想】　 吉井川左岸の標高408.9ｍの天神山に主郭があり、東側に２つの郭、西側に狼煙台を備えた連郭式の山城である。

　堀切や３ヶ所の石門が特徴的で部分的に石垣が残っている。

【案内】　 県道４１４号線よりキャンプ場「和気美しい森」（表記番地）へ舗装道が通じており、終点の駐車場が利用できる［ﾏｯﾌﾟｺｰﾄﾞ233 001 772*43］。

　冠木門に猪除けのネットがあり、入るとビジターセンターの前に「天神山城趾990ｍ」の標識がある。

　西に行くと「天神山城」の石碑、案内図が建てられている。さらに尾根を行くと堀切があり、東の郭がある。その先に堀切、主郭があり説明板が建てられている。

　主郭の西に石門、軍用石、狼煙台がある。尾根を下ると途中に「上の石門」「下の石門」が残っている。

　昭和五十七年（１９８２年）４月９日、岡山県の史跡に指定された。

【歴史】 　室町時代以前、日笠青山城主の日笠氏が出城として築いたのが始まりとされる。

　享禄四年（１５３１年）六月、父浦上村宗が大物崩れで討死すると、浦上宗景は大田原・日笠・延原・明石・岡本・服部の６人の武将を連れ室津城（播州）を立ち太鼓丸城に移った。

　天文元年（１５３２年）兄浦上政宗は宗景を討つべく富田松山城（備前市）に布陣したが、睨み合ったまま兵を引き上げた。

　天文二年（１５３３年）天神山城第１期工事に着手した。天文五年（１５３６年）宇喜多八郎(後の直家)が８歳で家臣となった。

　天文十二年（１５４３年）三の丸増築など天神山城第３期工事が終わり完成を見た。

　天文十三年（１５４４年）宇喜多八郎が元服し、直家と名乗り宗景は知行３００貫を与え乙子城主にした。

　天正二年（１５７４年）宇喜多直家が離反し、毛利氏と和した。宗景は信長の援助を得て毛利氏と戦う（天神山城の戦い）。

　天正五年（１５７７年）四月十二日、日笠青山城が落城した。五月、宗景の子与次郎宗辰が直家により毒殺され、八月十日天神山城は落城した。

HOME