投稿日: Jun 11, 2015 12:11:19 AM
神田敏晶氏が音楽産業の市場規模のまとめをしていて、その中で日本の有料音楽配信が2010年の860億円から2014年には437億円へとダウンしたが、パッケージの売り上げは若干下がりながらも横ばいであることを示している。
しかし、何とライブ市場は2000年以降も急上昇していて、2014年は2010年の倍以上になっている。
これを単純に考えると、パッケージで400億円減って、ライブで1.5億円増えているのだから、焼け石に水のようにみえるが、パッケージはメディア制作代やその流通代がコストとして入っているので、コンテンツビジネスとしてはかなり水増しであった。ライブもいろんなビジネスがあるが、この集計に現れているのは、一般社団法人 コンサートプロモーターズ協会という大手プロモーターの集まりの数字なので、巷のライブハウスのようなものは殆ど入っていないと思われ、ライブはミュージシャン側からすると「焼け石に水」よりは含み益の大きいものであると思われる。
これらの現象からは、これからはメディアの時代ではなくライブの時代だ、と言いたくなるが、メディアが滅ぶということでは、メディアの作り手がレコード会社などによるのではなく、音楽事務所とかプロモーターとか、あるいはもっと他のところ(キャリアとかポータルサイトのようなもの)にシフトしていくことをあらわしているのではないか?
その第一の理由は録音やマスタリングが設備産業ではなくなってパソコンでできるようになってしまったことであり、またライブなら映像側から編集するように変わるからである。
結局はライブ活動を中心に音楽メディアのビジネスも再編成・再構成されるようになるのだろう。それは本来の道であり、健全な方向だろう。
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