投稿日: Jun 15, 2015 11:35:31 PM
書籍を出す場合は著者に関係した人やレビューしてもらうところに献本をし、アナログレコードの場合は見本盤をラジオ局や音楽評論家に配るのだが、これらは著作権上は特別扱いで、印税は払わなくてもよいようになっていた(日本でもそうだと思うが)。このことはネット上でコンテンツを配信する場合にも引き継がれているようで、有料コンテンツでもトライアルの無料の期間に配信されたものに関してはロイヤリティは支払われてこなかった(海外の場合)。
しかし考えようによっては、アナログの献本や見本盤な見た目に市販品とは異なるようにできるものの、デジタルの「見本」は本物と区別するのが難しいかと思う。電子書籍なら各ページに「サンプル」とかの文言を柱のようにいれるのであろうか?
今音楽の配信は毎月定額の支払いで聴き放題の方向に進んでいるが、これも印税の支払いはどうなっているのかしらと思う。音楽の購読制の場合は、月間10ドルで売っているとすると、音楽の権利者には7ドルくらいが払われるのが相場らしい。とはいっても個別の視聴で課金されるわけではなく、月間の総収入から視聴の度合いに応じて配分されるのだろう。あるいは1回0.何円とか決めているのかもしれない。
最大手Spotifyの場合は、有料サービスと、広告付きで無料のサービスが混在しており、どのような場合でも1曲視聴あたり一定額を音楽権利者に支払い、総トータルで売り上げの7割になるようにしているようだ。(ちょっと意味不明なところ有)
それに対してAppleが予定している音楽の購読制は、無料のトライアルには支払わず、有料サービスではSpotifyよりも多めに支払うというネゴシエーションをしている。
これは既存の音楽産業とより密接に仕事をしようとしているのだと考えられる。その場合は、ちょっと多めの支払いも音楽会社にいくのであって、当該のミュージシャンに対する支払いがどうなるのかは別問題である。
まだ購読制のビジネスモデルも定着はしていないようで、これからいろいろな支払いの試みがされるだろう。特に今までレコードやCDなどを出していない新しいミュージシャンとどのようなコントラクトをもつのがよいかについては未知数である。
だいたい落ち着いてきたのが、印税は7割くらいになることで、それを権利者が分け合うのがデジタルコンテンツであるようだ。クリエーター側もネット配信になった場合の印税の按分を明確にしておいた方がよいだろう。
Top → Articles デジタルメディアビジネスの記事 過去記事→Archive