投稿日: Mar 10, 2015 1:32:40 AM
テレビのこれからのトレンドが4Kとか8Kとかの高解像度化であるというが、これはやはり大画面で見るようにならないと迫力は無い。床から天井までの大画面で映像をみると映画に匹敵するなと思うわけだが、日本人大衆の狭い家庭において壁一面をディスプレイにすることは難しい。テレビよりも先に住居の問題を解決しなければならないので、大画面テレビが売れるということにはならないだろう。
そこでカラオケのようなところで、配信されたコンサートを仲間と見るとか、映画などの鑑賞をするというビジネスが先だろうといわれている。今ではリモートライブというような、遠隔地の人がネット上で同時に一つの曲を作り上げるものもある。これらの応用はもっといろいろ出てくるだろう。音や映像が双方向に同時に流れればダンス教室も先生と生徒が離れていても成り立つかもしれないし、楽器や歌の教室も同様なことになろう。
それは言い換えると、ステージをバーチャル化したことになる。つまり「場」である。分散した場所にいる人たちが、同じところにいるように思わせるバーチャルな場が、床から天井までの大画面でいろいろなところに作り出せることになる。人の側からすると「エクスペリエンス」の広がりになる。あるいは「シミュレーション」といってもいいかもしれない。飛行機の操縦は初心者には危険を伴うものなのでフライトシミュレータで基礎を身に着けるようなものである。こういった試みは軍事訓練からゴルフレッスンまですでに多くあるもので、娯楽のかなりの部分に起こるのではないかと思う。
今までもバーチャルな空間で遊ぶものはゲームの世界やネットでいろいろあったが、人が直感的にエクスペリエンス出来るところまでは表現が至っていなかった。壁一面のディスプレイではビルの屋上で端っこに立つ足元などが出てくると恐怖感が出てくるほどで、船が揺れれば酔うだろうし、ジェットコースターならオシッコを漏らすかもしれないほど、実体験に近いものになる。
しかしそういう刺激のある映像が朝から晩まで電波でタレ流されるようになるとは考えられない。やはり非日常の娯楽としてしか、エクスペリエンスのビジネスにはならないのではないか?
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