投稿日: Dec 14, 2012 7:25:50 AM
大胆な試みがもっとあってもよいと思う方へ
新しいサービスや製品は、後から成功理由を説明できても、それが登場した時点では評価は定まっていないものである。逆に前評判がよくても1年も持たないサービスも珍しくも無い。ネットでの共同購入型クーポンも嵐のように過ぎ去っていった感がある。しかしこれは外食やネイルサロンとかではなく、もっと別のところで再度登場することがあると思う。セカンドライフも同様に当初のアイディアはいつか違った形で誰か別の人が仕掛けることになろう。いずれは多くの分野でバーチャルなショッピングがリアル店舗のショッピングに追いつく時がくるだろう。
店舗での販売と通販という2つの流れが今後どのように融合していくのかについて、売り場と、買い場 にまたがる新しいエクスペリエンスを創り出すのは簡単なことではなく、並外れた想像力が必要になると思う。コンピュータで本を探すインタフェースとして図書館の書架のようなものを表示して、それらの間をウォークスルーするようなものがあったが、これはほぼ想像力ゼロの世界で、図書館でまごついてしまう人には使えないインタフェースだ。そうかといっていつまでも日本十進分類法に頼っているわけにもいかない。
記事『変わりつつある出版マーケティング』では視覚的にはSPYSEEに似た『ほんらぶプロモーション』サイトのことを書いた。こういったことの応用で商品間相関をインタフェースにして表示するものが、個別の開発ではなくプラットフォームとしてあるといいなと思う。そうるすと無限に続く本の平積みのような画面ができる。商品がなんであっても使えるような汎用性と、書籍なら日本十進分類法のような仕組みも並存できるようなプラットフォームのイメージである。
こういったプラットフォームの元祖はCADなのかもしれない。設計をする際にはいろんな要素部品の情報を手元に揃えながら、それらの一部を転記するような形で図面は作られていく。部品の情報はかつては紙のぶ厚いカタログやデータシートであったのが、それらがネットで検索して手に入るようになったことが、画面で設計することの効率を促進させた。この逆を考えると、図像としてスキー場の光景が先にあって、そこでどのようなスキーの楽しみ方をするかを選んで、それが可能な場所の候補を出し、そこに行く手段や宿泊先がリンクされて出てきて、必要なものや段取りの情報がぶら下がっているというような関係になる。
その情報は今は各サイトごとの階層化された構造でつくられていて、その枠を飛び出して横断的に扱えるものではない。しかしCADではさまざまな部材のデータが横断的に検索できて使えるようになったように、消費者・生活者の「こんなことがしたい」という図面に対して必要な要素がマッピングされていって、それらが無限にどのようにでもスクロールできるもの、というようなのが、例えばの話の新しいインタフェース像である。
今の、サイトマップとGoogleしかないインターネットでは利用拡大の天井は見えているのではないか。
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