投稿日: Nov 08, 2011 12:46:57 AM
Simple is best と思う方へ
2011年はガラケーvsスマホの決着のついた年になって、ケータイの買い替えはどんどんスマホに傾斜している。アメリカのニュースでスマホにおさいふケータイの機能を入れて、自動販売機が使えたり、レジや地下鉄え使えて、Wow!!なニュースが流れているが、それもAppleやAndroidの手柄のように思われているようだ。当然それらは日本がずっと先行していたわけだが、日本でのケータイの応用開発は輸出できなかったので、一般の人に認識されないのは仕方が無い。
記事『Android戦国時代』では、2011年冬からiモードがAndroid上に移行することを書いたが、過去のガラケーでの試行を見直してスマホ上で一皮向けたものにすることが課題であるし、世界のスマホ化を海外進出のチャンスにすることができれば素晴らしいはずだ。しかしそれほどIT業界が期待とか楽観はしていないだろう。日本は確かに技術開発の経験はあるが、世界の生活者が飛びつくiPhoneのようなユーザインタフェースには自信がないのかもしれない。Appleの場合は前CEO自身が機能の絞込みとか使い勝手の優先順位をデザインしていたと思われるが、日本の場合はそこを担当する人が問題である。
以前AppleはSteveJobs復帰後に製品系列の整理をして数系列に絞り込んだことを書いたが、機能についてもスペックをテンコ盛りにすることはなく、アピールする点を分かりやすくしている。そして大抵の場合は今まで複雑だったことが簡単に成しとげらるというのがウリ文句になっている。ネットでのショッピングやサービスもそうであるし、iPodからiPhone・iPadに至る指先でデバイスを直感的に操作するのもそうである。Facebookもログイン、URL、メアドなど何にも気にしないで使え、しかも裏ではメールアドレス帳やソーシャルグラフで連携して便利だが超カンタンにすることで、かつてどのメディアも果たしたことが無いようなマスを制した。
PayPalもログインがメールアドレスとパスワードだけで送金できる簡単さ故に、他の決済方法を圧倒して広がってしまった。日本ではお金を扱わない場合でもIDにメールアドレスは使うなとか、お金を扱うならパスワードは2重にかけろ、という議論が起こって、わざわざ使いにくいシステムを作ってしまうことも珍しくない。きっとソーシャルグラフの連携もセキュリティ上好ましくないといわれるだろう。これは問題があるなら解決してやろうという技術的なチャレンジ精神の無さの反映で、技術もなるべく手をかけたくないというビジネス判断である。結局ネット時代にふさわしいリテラシーをもったリーダーが日本には足りないので、従来のリアルビジネスの会社がデジタルやネットでの商機をつかめない。いろんなしがらみを考慮してはThinkSimpleにはできないのである。
だからこそデジタル&ネットのリテラシーのある人にとっては隙をついてThinkSimpleビジネスをするチャンスがあるといえる。