投稿日: Apr 05, 2013 1:6:27 AM
日本は他力本願が多いと思う方へ
ベンチャーとかニュービジネスの先輩方がどのように格闘してきたかという話は励まされる。以前から天皇皇后両陛下がビニール傘をつかっている様子はテレビなどで見ていたが、これが8400円のもので市販されていることを知った。しかもそれを作っているところは最初にビニール傘を開発したところだった。最初の頃はビニール傘は傘の仲間に入れえもらえず、傘屋さんに相手にされなかったので、傘を入れるビニール袋を売っていたという。ところがビニール傘はスポーツ関係とか従来と違うルートで売れるようになった。現在では殆どが中国産になってしまったので、ビニールでなければ出来ない機能を盛り込んで、陛下に使ってもらえるような便利で丈夫なものを売るようになっている。
この話で、傘を作っても既存の傘業界には相手にされなかった点が日本らしいと思う。中小企業のビジコンが機能をプログラムできる汎用の電卓LSIを日本の半導体メーカーに依頼しても相手にされず、アメリカのインテルが開発してマイクロプロセッサが誕生した話と通じるものがある。日本人にアイディアが無いとか開発能力がないわけではないが、新しいものを採用するところが少ないことが、日本発の新開発品が世に出にくくなっている理由だろう。
今更こういった日本の社会の傾向を嘆いても仕方ないので、何か新しいことを始めようとする場合には、他人は相手にせずに自分で育て上げる覚悟が必要だと言うことだろう。つまり、アイディアだけあって、それをどこかに持ち込んでお金をもらおうとか、他人に開発をしてもらおうとか、ベンチャー企業ごと高く買い上げてもらおうというのは甘い考えなのだろう。
最近日本でもノマドという言葉が使われているが、おそらくそれは誤解で、本来のノマドは自分の才能が発揮できる場所に行って仕事をする人で、会社から会社にわたりあるいて能力を上げるとか成果をだすような、上昇の仕方を指している。例えばCPUの開発者などがその例で、世界にCPUを作る会社はそれほどはないので、自分のアイディアを引っさげて、どこかの開発会社に認められて働いて、次にもっと高度なものを作りたくなったら、さらにレベルの高い会社に移るというようなものである。これは個人の才覚を全開させるための生き方であって、やはりまだ誰もやったことの無いものに取り組むには孤高の姿勢が必要なのだろうと思う。