投稿日: Mar 17, 2016 1:28:59 AM
食品には賞味期限問題があってフードロスが社会的な批判を浴びることがある。加工食品の大量生産と日本の物流の複雑さから来る在庫問題というのが批判の矢面になるのだが、廃棄の実態としては家庭での保管し過ぎによる廃棄の方が業者が行うものより多いと言われている。まあどっちもどっちな気がするが、業務用ビーフカツの横流し事件のように弁当屋などに廃棄寸前の食材が流れるルートは昔からあり、金になるものは実際は廃棄にはならないので、家庭での廃棄の方が実際には上回っているだろう。
また生産者も豊作貧乏で廃棄しているようなニュースがある。これも台風被害などでは規格外品の取り扱いがされるように、何らか加工用にまわされることがあると思える。どうしても破棄せざるを得ないのは、農協ルートのように融通性が利かない流通に縛られた生産者だろう。
つまり食品の流通ルートは大量に扱う正規でレギュラーなものと、小口のゲリラ的なものがあり、そこにCOOPだとかファミレスとかの直接買い付けが加わった形である。そして産直は通販とか道の駅とかいろいろなところに広がっていて、今日の経済状況ではゲリラと直取引による分が正規ルートの減衰を補うものとなるのではないかと思う。だからむしろ小口の流通や直接取引をネットの力で増やすことが生産者の助けになるだろうし、生活者の選択の幅も広がることになる。
世界的にタクシーや民泊のサイトが伸びても日本では何かと規制が多くて浸透しにくいわけだが、産直とか在庫調整などのアウトレット的な流通であれば日本でも抵抗は少ないだろう。今までも商社を含めて大企業がすでに手を出しているのだが、彼らはこういった事業に付加価値を付けようとしているように見えるが、そんなことは不要で安価に便利に使えるプラットフォームだけあればいいのだと思う。要するにITで出来ることだけをしてくれればいいのに、余計なこともバンドルでするためにコストがかかってシステムの利用者が少なくなってしまうという悪循環が過去にはあった。
今はネットオークションやネットショッピングでのアウトレット販売はむしろ少なくなりつつある。徳島のバアチャンがツマモノを集めて出荷するシステムのように、今のECから一皮むけた簡素な流通プラットフォームが求められているように思う。
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