投稿日: May 16, 2012 12:20:39 AM
fbで企業fanは作れるのかと思う方へ
facebookのエンゲージメントに関する調査が時々発表されているが、調査というのは過去の分析ではあっても、これからどうすればよいのかにはつながりにくいものだと思う。はっきり言うとそれほど役立つ結果は出ていない。例えば写真を使うとエンゲージメント率が高く「いいね」が増えるという。しかしこれはアンケート項目の建て方が一面的であって、本当はどんな写真が「いいね」なのかを明らかにしないとこれから使う資料とはならない。つまり写真投稿ならどんなものでも人が喜んでみてくれるわけではないからだ。とはいってもこれは次元の異なる話で、fbの調査で写真の良し悪しを議論することはできない。
写真サイトというのはWebでは人気サイトで、海外はYouTubeのようなコメントのつけられる面白写真投稿サイトが多くあって、そこの書き込みなどを編集して、日本ではラバQ、カラパイヤ、何々ニュース/速報というお手軽サイトを作り、PVを稼いで広告ビジネスをしている。しかし日本は立派なデジカメをもった人も多く居るが、面白写真の投稿でのしてきたサイトはないだろう。どちらかというと日本の写真投稿サイトはカメラ雑誌の延長上のような芸術指向で、一方通行の情報伝達である。
fbに話を戻して、ソーシャルメディア向きの写真とは何かということを考えて、何らかの誘導とかランクづけのメカニズムを入れなければ、fbはムダな写真で埋め尽くされてしまうだろう。QAサイトへ誰でもアンサーができて、クソアンサーで埋め尽くされれば自滅してしまうように、写真サイトの仕組みとして写真を良く見せるとかデザインのやり甲斐があるとかをPinterestがやっている上にさらに画像のソーシャル評価値でレイアウトとか整理ができる仕組みが必要である。
商業用途で考えると、従来紙のカタログで羅列していた商品写真をPinterest上に鬼のように並べてもソーシャルメディア効果は期待できない。写真が人々の心に何を誘発するかという視点の編集が必要なのである。これはインフォグラフィックスなどと共通する課題で、ロジックとインテントと感性のバランスを取るデザイン教育が弱い日本では進みにくい。だから企業としては海外でクリエイトしてもらって日本に刺激を持ち込むというやり方でソーシャルメディア対応がしていけるのではないかと思う。
結局ソーシャルメディアの活用はコンテンツ力になるのだが、何が良いコンテンツであるのかはソーシャル評価で明らかになるのがソーシャル時代であるといえる。そういう立ち位置でクリエートする人々を育てないとソーシャルメディアは使えない。