投稿日: Apr 27, 2011 9:31:16 AM
サラリーマンの限界を感じる方へ
日本のどこに行っても商店街の寂れがいわれるが、実際にはケースは2通りある。大通りの商店街と、そこから脇に入ったところで明暗が分かれる。大通りは廃業があっても新たな店舗の誘致が行えるが、脇に入ったところは誘致できない。これはどの不動産でも同じようなことで、ロケーションの悪いところは切り捨てられようとしているので、簡単に業種業態で景気は判断できない。国内産業は何業であっても低収益業者の足きりが始まっている。出版やメディアに関することも例外ではない。
既存のメディアの大手はニューメディアの時代からネットでの試みを延々と行っており、もうネットでの配信も30年以上になろうとしている。今のネット上でも新聞のニュースは信頼されているし、最先端ではないにしてもネット上の存在感はあり、tweetもされる。しかし新聞の購読につながっていない。アメリカやヨーロッパのオンラインでの有料新聞の試みは、一般的には苦戦していて、ほとんどネット上で反応のない新聞もある。
既存メディアが優位なのは、昨今の独裁政権転覆とか地震・津波・原発など重大ニュースが続くと、短期的にはジャーナリズムは盛り上がるものの、既存のメディアがネットで盛り返すことができるかといえば、下降には歯止めがかからない。ニュースビジネスでネットへの挑戦をすることは、30年前からリスクはあまりないと思われていたが成果もないのげ現実だ。
ネットへの挑戦では広告をあてにしていたこともかえって打撃になる。ネットの広告とはいっても実際にはマスメディア的広告モデルが多くて、ネットの広告代理店はそれなりに成長したが、新たなモデルが次々出てくることを考えるとマスメディアと同じような広告の成長は期待できない。facebookのようなソーシャルメディアの広告がどう使われるかはまだ予測は立たないが、GoogleのAdWordsのような新たに化けるものになるのではないかと、多くの人が考えている。
結局ネット新聞のように既存のモデルに近いところでネット上のビジネスを考えることは、ローリスクではなくたいへんリスキーであった。しかし現時点で広がりや使われ方に関して目処の立たないネットメディアでどうやってビジネスモデルを考えたらよいのか戸惑いがあるのだろう。とはいえネットメディアはスタートは比較的簡単にできるので、仔細に観察しながら、小まめな戦術をたてるしか進め方はないだろう。これは中高年のサラリーマンにしろというのは酷かもしれない。つまり対価とつりあった労働をしてくれというのではなく、熱意を示してくれといっているようなものだからだ。逆にいえば、熱意で乗り越えられそうにないからローリスク・ローリターンばかりしているのではないかと思える。