投稿日: Aug 23, 2013 12:14:55 AM
クラウド上にビジネスは移行するか?
世の中一般ではネットの利用はLINEを軸に再編成されつつあるが、ビジネスとなるとパソコンが主なので、ネットはブラウザ中心の使い方である。LINEの件では、PC上で成功していたモデルではなく、スマホ時代になることで、人々が接触するプログラムの優先順位が変わってしまうことを表している。PCは「とりあえずブラウザ」が起動され、そこでのスタートページがもっとも人目につくものとなるし、検索エンジンまわりにアクセスがゆく。まずはURLを指定してからサービスなりアプリが始まる。
しかしスマホになって、「とりあえずブラウザ」ではなく、サービスなりアプリをネイティブアプリとして作り直すことになったので、アプリの優先順位の高いものにいろいろな事柄が紐付けされるようになる。これはブラウザという上での自由な競争空間というのがなくなって、アプリ序列主義という封建時代にもどったような気がする。
人々が接触する優先順位については、ポータルサイト・ニュースサイトの時代からSNSが優先する時代に変わってきた。そのためにニュースの方は将来はRSSでの配信になってしまうのかとも思われた。無料メールもポータルサイトから派生したものであろうが、Gmailの時代になってGoogleの戦略に組み込まれ、Googleのアカウント囲い込みが心配されるほどになっている。それ以前からSNSでメッセージングやメールをした方がてっとりばやいので、専用メーラーを開く機会が減っていってたのであるが、Gmailも受信トレイを「メイン/ソーシャル/プロモーション」と切り分けて、メールの復権と、他サービスとのシナジー拡大に動いているようである。
何が言いたいかというと、PCでもスマホでもサービスの中身の云々よりも、利用者との接点を確保することが最大の眼目になってきたことである。これは大勢のネット利用者を相手にするところにとっては死活問題で、結構高度な戦いが行われている。それにひきかえ、ゲームのサービスは利用人口が多くても、他のサービスには波及しづらく、ゲームのサイトがSNS化するとかEC化する可能性は少ないと思う。そういう意味では課金ビジネス以上のものにはなり難いし、イノベーションもどの程度あるのかわからない。
一方LINEは電話やSkypeや楽天などを喰っていく可能性をもっている。うまくいけばソフバンに次ぐ民間からのインフラ提供になるだろう。しかし今のところB2Bのようなビジネス向けには足場をあまりもっていないので、新しいサービスを狙って居る人にはB2Bというチャレンジ目標があるだろう。
特に日本はビジネス面でのネット利用が発展途上国よりも遅れつつあるのではないか。Faxや郵便での連絡にこれほど頼っている国は他にあるのだろうかと思ってしまう。いきおい「Facebookをビジネス活用」みたいな話になったりするが、fbはグループウェア的な機能が不十分だし、アプリ・アカウントが交差して使われる場合の通信ログ(取引証明になるほどのものが欲しい)、課金・決済など、ビジネスの基本機能が日本では発達していないので、ネットのストレージとかドキュメントサービスだけあっても、大して改善にはならない。
クレジットカードの発明とかいうレベルの思考が必要なのだろうが、それは日本人にとっては苦手なのだろう。