投稿日: Apr 01, 2015 1:57:39 AM
Web上では4月1日ネタがいろいろ出ている。ネットは情報伝搬に瞬発力があるから、4月1日だけのネタを流布するには都合がよい。しかしWebでは凝った嗜好で人をひっかけても、SNSなどですぐバレてしまう。ネットは熱するも冷めるも早いメディアであるといえる。
その真逆ともいえるのが紙メディアで、一度ジョークのつもりで印刷物を作っても、後々までずっと尾を引いているものが多くある。古代史には偽文書というのが多くある。最初にどういう企みがあったのかはわからないが、1000年2000年後でも真に受ける人がいる。青森にキリストの墓ができたりする。
火星人がタコのような姿で現れるというのも、子供の頃から良く見た絵ではあり、世界中に知れ渡っているが、これもドイツの雑誌の4月号のエイプリルフール偽記事が発端となっている。そして元ネタの雑誌や記事は遠の昔に忘れ去られて、タコみたいな絵だけが独り歩きをするようになった。
昔からの伝承の中にはこういった亡霊のような情報も多い。情報の考古学者のような人は元の文献にあたろうとするが、亡霊が登場したいきさつを把握できたとしても、某誌4月号の火星人のように亡霊を止めることはもうできなくなっている。
ゴシップ、風評、風説の害はメディアとともにあったと思われる。だからインターネットで若干伝搬速度が変わったからと言って、インターネットに情報をかく乱する本質的な原因があるわけではない。むしろ印刷物が亡霊情報を産んでいたようなことを暴露する能力がインターネットにはあることのほうが重要ではないだろうか。この火星人の件もネットで知ったのだから。
紙の出版物でも偽文書や偽科学、インチキ健康法、歴史の捏造は山ほどあるわけで、今のところはインターネットがそれらに対して信頼がおけるものとはなってはいないのだが、Wikipediaのような仕組みでちゃんとした情報を記録するといころがネット上で発達する可能性はある。Wikipediaはグローバルなアクセスランキングでは検索エンジン大手やFaceBook、YouTubeに次ぐところまできていて、風説を鎮める効果は発揮できると期待できるからである。
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