投稿日: Dec 09, 2011 12:42:27 AM
足りないのは志であると思う方へ
従来のモノ作りに捉われずに日本発ベンチャーを興したい気持ちはわかるが、それは何か得意分野があるとかだけでは無理で、アメリカなり世界の市場とかビジネスを身に付けなければならない。また戦う相手がアメリカの場合が多いであろうから、彼らのフロンティア精神に負けない大きな志が必要であろう。仲間であれ投資家であれ利用者であれ、志が求心力になって、志次第で企業の発展が決まるということは、日本人にはピンとこない点があるかもしれないが、ビルゲイツであれスティーブジョブズであれ、アメリカンドリームの体現者には共通することである。
かつて日本の会社がシリコンバレーに支社を置いてITベンチャーの仲間入りをしようとした時代があったが、有能な人を集められないし、地元のベンチャーの仲間にも入れてもらえないで、単なる情報入手の拠点にしかならなかったことが多い。日本人がシリコンバレーに馴染めない大きな溝はアメリカンドリームのような大そうな志が持てないことであったように思う。今スティーブジョブズ本が売れているが、そこに描かれているスティーブジョブズ像は以前から知られていたもので、当時も素晴らしい人だと思いつつも、"stay foolish"にはついて行けなかった。しかしアメリカはインターネットが始まったころのゴア副大統領の Information super highway から今日のGoogleに至るまで、多くの人が共通して foolish な大きな夢を支えてきた。GoogleMapでもGoogleEarthでも最初は foolish だったのである。
アメリカの国家IT戦略と今のクラウド産業育成が結びついているように、活躍する企業がMicrosoftからGoogleに変わったところで一貫した成長をできるのは、アメリカのIT人に共通して世界の情報基地になるというドリームがあるからだろう。ところでアメリカやヨーロッパについで日本の地位があったのは前世紀までで、中国もロシアも日本人口を超える膨大なアカウントのSNSを運営できるようになっていて、こういった基盤の上で社会制度が改善されていくのであろう。しかし日本は世の中でいくらブロードバンドが普及しても官公庁はそれ以前のやり方を変えていないし、大企業においてもネットの利用には躊躇があり、そもそもソーシャルメディアの利用にはなじまない。
ソーシャルメディアのいろんな有用性や可能性を考えると、それを活用するためには古いやり方を壊すことは避けて通れないだろう。データがでたらめになっていた年金処理でも、今ならおそらくクラウドのサービスで処理できる範囲であるし、戸籍、住民票、旅券などの処理も従来のシステムを捨てた方が今後のいろいろな効率化に結びつきやすい。処理方法や実現方法は揃ってきた時代なのだから、あとは素敵な大きな夢をみなさんが共有できるかどうかにかかっている。その勢いでアメリカに再度挑戦できるようになればいいと思う。