投稿日: Mar 07, 2015 1:19:0 AM
単発で仕事を取ったり取られたり、その場限りのビジネスを繰り返しているのではなく、お金が回り続けて仕事が発展していくには、顧客視点でビジネスモデルを考えなければならないことを、記事『ビジネスモデル化(1)』で書いた。自分のビジネスが発展する前提として、顧客のビジネスが発展し続けなければならないわけで、要するに顧客のビジネスに貢献できるような自分のビジネスをしなければならないことになる。それが顧客視点の意味であって、どれだけ顧客に近づいてビジネスができるかによって、顧客のことを理解できる程度が異なる。
だからBPO(Buisiness Process Outsourcing)のような顧客のビジネスプロセスの一部分を代行する業務をすることは、顧客のビジネスがよく見えてくる点でよい方法だ。そうするとマクロなマーケティングでは見えてこない部分がわかって、新たなサービスの機会がでてくる。
記事『学習効果を高める』で採りあげた教材の電子化では、教材制作をする前に、教材がどのように使われているのかを分析しているのだが、こういった現状把握をBPOやヒヤリングを通じて行って、顧客の抱える課題と、どんなソリューションが必要なのかを顧客と共通認識できるようになることがビジネスモデル構築のスタートラインだろう。
この場合は、教材コンテンツをいろんな教育局面で使えるようにするデータベースのようなものとか、いろいろな局面に合わせて機動的に組合わせて配信するサービスとか、教師側の要請で教材をカスタマイズするサービスとかが考えられることを書いたわけだが、それらの業務開発が1社で全部できるところは無いだろうから、1企業の枠を超えた大きなビジネスモデルを想定して、何社かが協業してそれを実現し、育てていくようなことが必要になる。
素材のデータベースだけでも、権利処理・制作・利用履歴・改訂・フォーマット変換などが必要だし、「組合わせ」は自動組版のようなことが必要になるし、配信はインターネット上のサービスであるし、カスタマイズはBPOの手作業になる部分もあり、いろいろな業務の複合になる。
DTPや自動組版のノウハウがあるだけではこういったビジネスモデルは組めない。当然重たい設備指向でもできないし、IT屋さんのソリューションの押し売りでもできない。DTPも設備もソリューションも全部含めたビジネス開発を一緒にする場が必要になるのである。ステークホルダーが集まって手弁当(会員制)のコンソーシアムでビジネス開発をする例があるが、デジタルメディアもそういうことが必要な時代になってきたといえる。
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