投稿日: May 04, 2010 2:5:48 PM
OldMediaのみんなと一緒に心中するのは嫌な方へ
広告会社が直面する3つの試練 という記事が広告業界の人(業界人間ベム)のBlogにあり、今日の日本の広告業界の課題をあげている。今の広告会社の仕事には、様々な付加価値の仕事が同居しているのに、「広告ビジネスの構造変化」の中で対応できていない。実際にあるのは大元のビジネスモデルであるスペースブローカーだけで、パーソナルメディア、ソーシャルメディアには手がつけられない。後者2つに対して、付加価値の仕事をしなければならないのに、そのようには進まず、しかしニーズはあるので、新たな参入組が今後も増えるだろうとみている。
まとめとして、(1)今の社員の知見の及ぶ範囲が、基本「買うメディア」だけである。(2) 「買うメディア」も広告プラットフォームで広告主が直で買う(ようになろうとしている)。(3) 領域がオーバーラップして競合するプレイヤーが増える。という課題があるのに、今の経営幹部が未だにマス広告での成功体験の思考から抜けられないことを嘆いているようにうかがえる。
これらは既存メディアにはどれでもあてはまることではないか。最近日本の人気歌手のCD売り上げがよくなく、ダウンロード販売ですら下がっているという。かつて何十万枚売れていたものが何万枚しか売れないとなると、従来のように新曲を作ってキャンペーンで焚きつけていくという方法がとれなくなる。要するにプロモーション費用を下げないと採算が取れなくなるだろうから、広告会社もともに沈んでいくことになる。雑誌の創刊なども同じようにプロモーションでキックオフすることはできにくくなっている。マス広告に依存していたビジネスは皆負のスパイラルに陥っている。
新製品でも新曲でも最初にマスメディアでデビューを果たすものは半減するだろう。それよりもパーソナルメディア、ソーシャルメディアで先に評価されて一定量売れたものが、第2段階としてマスメディアを使ってスケールアウトしていく、という流れになるのではないか。以前からTVでも「隠れたベストセラー、穴場、知る人ぞ知る」といったネタの扱いがあるが、この「」内のところがデジタルメディア&デジタルコミュニケーションの真価を発揮するところとなるだろう。そこを手がけたいのならマスの成功体験から早急に脱却をしなければならない。