投稿日: Mar 24, 2014 1:25:8 AM
スマートテレビの時代?
週末に現在サービス加入中のCATVの人が新しいセットトップボックスの勧誘に来た。スマートテレビだそうである。従来のボタンのいっぱいついたリモコンよりも操作がずっと簡単になるという。しかも今申し込むと中華タブレットがつき、それでもテレビが視聴できる。当然ながら家の中ではWiFiによってみるのでYouTubeも同じく視聴ができ、ゲームもいろいろできる。宣伝では10万台無料キャンペーンだそうだ。auとの連携でタブレット以外にスマホをつけるサービスもある。もっとも一方ではテレビでインターネットはしない、というメニューもある。
これらのサービスを導入すると月々は1000-2000円くらいは高くなるそうだが、NTTとの電話やインターネット契約から切り替えると高くはならないというセールスである。2年縛りがあるらしい。説明は半分上の空で聞いていた。
つまり月々の支払いは同じで、スマートテレビだのタブレットだのが手に入るというものだ。お得感を出そうとしているのはわかるが、コンテンツの魅力アップに関しては何も語られなかった。テレビもインターネットもゲームも、今あるものがそのまま乗るだけの話である。
この会社はいわゆる「ラストワンマイル」の業者だから仕方がないのだろうが、テレビでもインターネットでも中身で勝負しようというところはないのかしらと思ってしまう。デジタルやネットにしたからといって客が飛びつくものではないことに、未だに気づいていないのであろうか?
我が家はあまりテレビをみないので、家族はみんな職場や学校においてタレントやドラマの話題には入っていけないで、受け身でポカンと聞いているだけである。こういう生活をしていて感じることは、人々がテレビを見る理由は、本当にその番組が見たくて見ているのではなく、他人とのコミュニケーションに必要だからついついみているのではないかとさえ思ってしまう。
もし本当に見たい番組があるのなら、それはアーカイブされて受け継がれてスタンダード化したコンテンツとなるはずであるが、そのような狙いでは番組は作られているように思えない。
日本でも一時韓流ドラマがもてはやされたが、それも本当に見たいかどうかよりは話題性が牽引していたように思える。つまり韓国のコンテンツ輸出戦略に基づいたマーケティングに乗っていただけである。こういうことは昔からあって、アメリカのホームドラマが多く放映された時代もあった。刑事コロンボやミスタービーンやシャーロックホームズなどはおそらく今でもDVDで売られているのだろうと思う。
しかしそいういう外国からのマーケティング攻勢を除外して考えると、国内でコンテンツ育成の長期的な戦略もなくマーケティングもなかったのが、日本のテレビ界ではなかっただろうか。
よくいわれることに、日本は家電業界がテレビを牽引していたというのは、まったくおかしなことで、コンテンツ産業がまだ自立していないのだろうと思う。こんな状態でクールジャパンの旗のもと、コンテンツの輸出はできるのだろうか?