投稿日: Sep 12, 2013 11:52:38 PM
9.11は幕をひいた
今年は9.11関連の番組や記事が極めて少なかった。近年は事件の公式な報告書のアラ探ししかやることがなくなっている。アルカイダ=「オサマビンラディン」というのも実態が解明されないまま、「オサマビンラディン」はアメリカ大統領選挙に先立って一昨年に暗殺され死体は海に捨てられた。何をした誰が死んだのか、確かめようもない。フセインの時もそうだったが、とっ捕まえて調べ上げることよりも、先に命を奪うことをアメリカが実行しているのは、生きて何かしゃべられたらアメリカの都合が悪くなるから、口封じをしているとしか考えられない。ともかく事件の動機は闇に葬られてしまった。
報告書のアラ探しは、ビル崩壊の謎に集約される。なぜ10秒ほどで完璧に姿を消したのかについては、ビル側にも飛行機突入と連動して、予め爆破の仕掛けがしてあったからだろうという推測になっている。で謎なのは誰が仕掛けをしたのかであるが、前述の事件の動機が謎では、こちらの問題は解けない。
このように個々の事件に関しては、謎という壁によって事件の背景が探られないような配慮がしてあるといえるだろう。第2次大戦後の日本でも不可思議な事件がいろいろあったことが思い出させる。それは今日の小沢裁判にも通じるところがある。つまり一種の政治手法である。
謎という壁の奥を考えるには、個々の事象ではなく大きな骨格を捉えなければならない。元々は、冷戦下のソ連の南下を阻止するため、アメリカはアフガンゲリラを育成し支援した。この時の武器やゲリラは流民化してイスラム圏の各方面に流れて広がり、イスラム圏の政情を不安定にしてきた。つまり今ではイスラム圏を一致団結させないためにゲリラが必要で、同様にアラブの春という民主化運動も政情を不安定にするためには欠かせない要素になっていると思える。
今シリアが揺さぶられているが、これはシリアの政情が大統領のオヤジの代から比較的安定していたからではないか。状況から考えるにアサド政権を倒し、イランの孤立化を図ることがアメリカの狙いではないかと思う。アルカイダという呼称ももう死語かもしれないが、流民的ゲリラは今シリアに集められているのだろう。アメリカは反政府軍のうち過激派は15%くらいだろうと言っているが、いや50%くらいだろうと推測する人もいる。
でもこれで一体何の得があるのだろうと思う人もいるだろう。日本のニュースではなかなか引用されないが、オバマ大統領の国内向け発言の中には、「イスラエルの安定」ということばがチラホラ出てくる。中東でのイスラエルの安定は、アラブの不安定の上に成り立つとアメリカ人は思っているのだろうか。