投稿日: Nov 12, 2014 1:39:0 AM
どうして日本の組織の判断は事勿れでネガティブになってしまうのだろうか。だからベンチャーの存在理由もあるわけだが、日本の組織が革新的なものを応援しないとなると、優秀なベンチャーも日本離れをしていくかもしれない。それで伸びるのならそれでもいいのだが、日本はいつも後進性を抱えることになる。電子政府、EC、eLearningなども発展途上国の方が盛んに見える。組織の保守化というのが最も大きな問題に思えてくる。
増井俊之氏が開発したスクリーンショット画像にURLを付与してクラウド上に保存できる無料サービスGyazo (https://gyazo.com/ja)にベンチャーキャピタルの出資が決まった。いつの間にかユーザーは北米が33%、ヨーロッパが37%、ロシアが4%と、海外利用が8割あって日本国内の利用者よりも多くなっている。紙copiをやっていたベンチャーNOTA,inc.が運営していて有料会員も4500人いるという(1ユーザー月額400円、法人1アカウント月額500円)。これからいろいろなビジネス化が展開されるのだろう。
Gyazoのスクリーンキャプチャは、マウスで画面をドラッグするだけで画像にURLが付いてクラウドに保存される簡便さがウリで、クラウドなのでどこのどんな端末からでも参照でき、また他人とシェアすることもできる。これが日本で大きく話題になる前に海外で伸びたのはいいことである。日本でもしGyazoを宣伝したならば、知財権関係で噛み付いてくるくるところが出てくるだろう。ゲームなどをしている途中に画面を切り撮り保管するのは私的複製として自由だが、何かに貼り付けて「送信可能化権」に抵触すると面倒だ。フェアユースの概念のある国では、営業妨害にならない限りの2次利用には寛容だが、日本はそうでもない人もいる。
日本のうるさい人もYouTubeのような海外ビジネスを叩くことはできないので、Gyazoももし問題視されるようなことが起きたら海外移住するのだろうか。今回せっかく資金が得られたので、叩かれずに広まる戦略とそのための開発にお金をかけるのがいいだろう。やはり法人向けでカタログやマニュアルをクラウド運用するサービスが同じ様な価格帯でGyazoよりも2桁上のビジネスを行っているので、「送信可能化権」に抵触しないオンプレミス用でもそれと同等くらいの目標はたてられるだろう。
大企業や官公庁にカツを入れるためにも、大企業がやらないことをベンチャーが突破するようになってもらいたい。
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