投稿日: Oct 17, 2011 12:24:59 AM
ベンチャーもピンキリだと思う方へ
人の悪口を言う気はないのだが、好き嫌いは直感的にあるので、その理由を考えてみることにしている。ホリエモンのビジネス指向については挑戦をする姿は良いとは思うが、過去に講師を頼もうと思ったことはなかった。三木谷氏はまだ社名が楽天になる前に講師を依頼したことがある。そのころホリエモンがやっていたことはWindows互換と称するLindowsとか、すでにどこかにあるものをかき集めたり物まねしてベンチャーと称していたので、金儲けをする意識があることは分かっても、何を実現したいのかが見えなかった。三木谷氏に関しては当時アメリカで頭角を現しつつあったECモデルに近いものを感じていた。
TechCrunchには毎日のようにスタートアップのベンチャー起業が紹介されるが、それらもイマジネーションに満ちた会社と、時流に乗っかろうとする匂いの会社に大別される。だいたいスタートアップとかベンチャーだからといってひとくくりに取り上げる意味はあまりない。自分のビジネスのヒントなり、付き合う相手として考えた場合に、まだ実現していないことに有効に取り組める人に興味があるわけで、その会社自身がどれだけ儲けようが、株価がどうなろうが人様の話を話題にするだけでは、経済ゴシップでしかない。
そもそも自分で起業するというのは、自分の中に沸いたイマジネーションが圧しとどめられないほど大きくなって、通常の仕事をするのに比べて相当な苦労を覚悟して始まるものであろう。しかもノウハウとか人材とか何らかの事業の裏づけがあったとしても、まだ起業時点では不確定の部分が多くあり、先は見通せなから保障なしで始めなければならない。だから単に何か一ついいことを思いついたとか発明したくらいでは事業を続けることは困難で、技術ベースなら発明や実用新案をずっと出し続けるくらいの発想力を持っていなければならない。それを表現することで外部からの支援が受けられるようになる。
つまり投資家の側からは、この人ならきっと乗り切れるだろうな、と思わせる、その人自身の志向を見抜くことが必要である。ホリエモンの場合は何も新しい分野に手を出す必要はなく、逆に既存の分野でもリーダーシップを発揮できるところは多いだろう。むしろ技術音痴でITには不向きではないかと思った。という点でもベンチャーには向いていない。日本で足りないところは、投資家がユニークなスタートアップのセンスを見抜けないことがあり、アメリカでデビューしようと考える若者もいる。これでは発展途上国と同じである。
日本では工学系は専門バカを自認する時代もあったが、ビジョンやビジネスセンスを併せ持てるような教育とか啓発の環境が必要になっている。