投稿日: Feb 27, 2016 1:42:40 AM
どんな音楽を自分は聴いていたのかということで、中学校頃から今までの音楽的嗜好を図にしてみた。これは大体はレコードの購入傾向と一致するが、すでに過去の蓄積があるので、近年は殆ど買わずに聞く一方である。勤務していたころは通勤時間に聞いていたが、今はもっと長い時間にわたって聞いている。
1960年代は主にラジオから流れてくる音楽を聴いていたのでpopsが主流だったのだが、その頃は黒人のグループや歌手がpops界にどんどん入ってきてtop10に黒い人が必ずいるくらいだったので、popsファンと言えどもR&Bにも馴染んでいた時代である。昔popsだと思っていたのが今はR&Bに分類される例はSam Cooke などである。また白人も黒っぽい歌い方をしたりR&B起源の歌を良く歌っていた。人々は知らずの間にR&Bを吸収するようになっていた。
1960年代はブリティシュサウンドの勃興期でロックの先鋭化の時期でもあった。それらもR&BやBluesをレパートリーにすることが多かったので、自然とBluesのレコードの発売も多くなり、1960年代後半から70年代はブルースブームというのもあった。その頃私はRockをやめてBluesに切り替えたので、Rockを聴いていた時期というのは振り返るとほんの少ししかない。
私は未だにその頃に買ったBluesの45盤レコードを聴いているのだが、気が付けばそういう人は希少種になっている。
当時のロックの元祖としてのブルースはミシシッピーデルタ由来といわれるようなダウンホームギターブルースが主流で、それらは若者の間でも大変な人気を得た。今でも「ロバートジョンソン=神」みたいな人がいるのは、その時代の名残といえるだろう。
私もBluesにこだわり続けたという点では頑迷な希少種ではあろうが、1970年代の後半からはいろんなBluesを聞くようになった。これが長い間にわたってBluesを聴き続けることになったことにつながる。それは
・down home blues(country blues系)
↓
・urban blues(いわゆるバンド・コンボ形式)
↓
・city blues(R&Bよりはjazzに近い楽団)
というような広がりである。
そういう聴きかたになってから30年以上が経っている。そのような中で思うのは、そもそもそうだったわけだけれども、R&Bと city blues と urban blues の境目というのは曖昧であることだ。つまりblues をdown home, urban, city と区別することも、さらにそれらをR&Bと区別することも意味はあまりないなあと思うようになった。
そもそも…というのは、私には中学校の頃からR&Bが浸透していたから、blues とR&Bを感覚的につなげられるのかもしれないが、これがRockの勃興以降の世代のBluesファンになると、R&B色の強い音楽には馴染みにくいのかもしれないと思ってしまう。つまりブルースブームの後のブルース離れというのはR&Bという着地すべきアメリカ黒人文化に戻れない現象なのかなと思う次第だ。
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