投稿日: May 27, 2011 10:49:52 PM
プリントは再起できるかと思う方へ
かつて印刷やプリントのビジネスでこれから行おうとしていたことが、状況が逆転して進まなくなったことを、記事『プリントをめぐるこの十年の明暗』に書いたが、経営環境変化やデジタル化ネット化の進展はどの業界にも及ぶものであって、世の変化自体に公平とか不公平を言うわけにはいかない。NTTでもモバイルが広がる反面で減るビジネスもあるわけで、プリントをめぐる変化も暗転と感じるか、明るい方向に舵を切ろうと考えるか、その人の態度次第でこれからの大きな岐路となる。前記事だけ読むとネガティブな感じを受けるかもしれないが、この中に実は今後どうするべきかのヒントがある。
●一般企業はコア業務の周辺を内製化する余裕が無い
→ 外部のサービスが使われるだろう。 ネットで地球の裏側からもBPOが可能
●サービス業者はクライアントの囲い込みができない
→ ビジネスシーンの中に囲われる身になってサービスをする。 ネットで密度の高いコラボ
●一般企業にDTPの能力は広まらない
→ 一品ごとのうるさい注文はつかない方向に。 デザインのテンプレート化など
●デジタルファーストで紙はあとまわし
→ Webなどの素材があれば迅速にプリントもっていける。 コンテンツを共通化する
問題は紙に情報を載せると有意義であることをクライントにどう説得するかであるが、そういった視点で今まで考えたことの無い人は難しい課題だろう。しかし今は紙は使わないままネット通販などを始めたところもあって、普通なら印刷物を作る局面でもやっていないために不便を感じていたりする。カタログ・パンフレットの必要性をビジネスシーンの中で感じたときにすぐに紙面化できるようになれば、また需要は戻ってくるはずだ。つまり顧客の懐に飛び込んで、ビジネスと同期してコミュニケーションを一緒に考えて行動するようなメディアビジネスになるべきである。
一般的に言って紙の出番は、face to face とか モノに添付する場合なので、日常の接客とか物品の発送に際して、最適な情報を出せる仕組みが必要で、OneToOneとかCRMなどの構築が取り組まれた。しかしシステムを設計したりチューニングするのに月日がかかり、役に立つのか立たないのか分からなくなったものもあるだろう。だからむしろ営業マンが明日得意先訪問でのプレゼンに必要なモノを制作する過程でネットにあるものを利用するとか、発送物なら納品書のプリントをもっと気の利いたものにするなど、現場的な発想でプリント需要の見直しをするのがこれからの課題だろう。