投稿日: May 30, 2011 1:6:40 AM
販促はどのように変化するのかと思う方へ
今日の商品は小さなものならパッケージの表面の半分くらいはデザインに使うのではなく、原材料や内容に関する説明や情報に費やされている。食品ならアレルゲンとか栄養表示もある。日用品でも化学物質を使っていると「ご使用上の注意」があり、また容器の材質に関する表示がある。商品を買おうとする人が、こんなものいちいち読まないと思う人もいたが、次第に読まれるようになっている。輸入商品の場合にこういった情報が十分読み取れないと、消費者は不安がるかもしれない。ダイエットをしている人ならカロリーを気にするだろうし、100円ショップでは本当に安いかどうか確かめるために内容量と価格の比を見ている人もいる。つまり人によって気にするところが違うので、どんどんいろんな情報を入れていかなければならなくなるのだが、それは商品を消費者に選択してもらうためである。
こういった情報は販促担当やコピーライターが考えるものではなく、おそらく半分以上は法定のもので、他の慣例的な表示も含めて商品のデータベースとして管理されている。これらの情報の一部はカタログ・チラシなどの印刷物や店頭でのPOPにも反映される。販促といえば店舗でマーカーを使ってPOP文字を手で書いているとか、それをパソコンやカラープリンタでできるようにしたとか、またデジタルサイネージも使おうか、表示の方法をどうするかという裏には、どのように迅速かつ正確な情報を収集し、何をどう表示するかという編集のような作業が必要になる。次第に商品に表示する情報が増えてきたということは、上手に編集する必要性が高まったことでもある。
Webやケータイ向けなら商品データベースから何らかの直接データを取り出してメディアに載せることがやりやすい。商品データといってもそれは仕入先から情報をもらわなければならないもので、サプライチェーンを辿って原材料や提供者をネット上で見られるようにするサービスも存在するからだ。現在はスーパーや生協などが仕入れの際の判断材料として、また販促情報として商品データベースサービスを利用している。この商品情報にさらに各小売業者ごとの独自情報があわせてその企業のコンテンツとして使われる。どんなものがどのように売れるかという分析は、天気や地域や性別・世代別という従来の属性だけではなく、仕入先や店舗からの情報もあわせなければならないし、さらにニュースやクチコミ(ソーシャルメディアなど)を踏まえて分析する時代になっている。
こういった、商品情報+売り場+メディア の3点を総合的に扱うことは昔はできなかったのだが、ネットでは連動して管理することがだんだんやりやすくなってくる。ネットスーパーはその典型かもしれない。かつて印刷物の場合は「データベースパブリッシング」とか「自動組版」という作り方で商品データベースと連動した紙面作りができるようになったが、印刷物では常時変更される情報は扱わないできたが。しかし紙メディアでもPODのような可変印刷が可能な場合は、むしろWebやケータイで毎日変更される商品のデータ処理に沿った応用ができるので、PODの応用開発はWebやケータイと同じ視線で考えるべきだろう。ビジネスの過程でデータを膨らませて、生活者に必要なコンテンツに変化させ、それを分かりやすく迅速にメディア化するというのが、新しい販促である。