投稿日: Jun 28, 2013 12:39:57 AM
書店は滅びる
吉祥寺でよく利用した本屋が最近フロアをひとつ100均屋さんに明け渡して、2フロアに縮小してしまった。そうしたら店内の様子はガラガラな感じが強くなっている。当然ながら一部のファン向けの趣味的な本が減ってしまったわけで、それは以前は地下にかなり品揃えされていて店の特徴だったのがなくなり、一般的な雑誌・本と学習参考書の2フロアになったので、わざわざその店に出かける理由がなくなってしまう。もともと地下の趣味とか専門書(Web制作、DTP、動画関係を含む)を買いに行く人はそれほどはいなかったのだろうが、来客数でその分が差し引かれるだけでなく、一般書のフロアも人がガタっと減ったように見えるのはなぜだろうか?
過去10年くらいで商店街の零細書店が壊滅的になったのは記憶に新しい。そこはあまりにも狭いので、売れ筋の雑誌などに関してはコンビニや駅売店に代替されてしまったのだろう。そして書店は駐車場のあるような郊外型とかビデオレンタルも含めてゆったりしたフロアで24時間の店が増えた。駅前書店も零細何件かに代わってチェーン店で一回り大きいモダンな雰囲気のところに置き換わっていったのだが、そんな書店も再びリストラの時期に入っているように思える。
私の生活圏で見る限り、書店が書籍以外の商品を扱い始めて、人々がそれを利用しだしたのを見たことはない。しかし他業種が書籍・雑誌を売ることはある程度増えてきた。だから本や雑誌が売れる売れないということよりも、書店という小売の業態が古典的過ぎるのだろう。昔の商店街には米屋・卵屋・乾物屋・レコード屋という調子で特定の仕入れだけで成り立っていた店もあったのだが、それらはほぼ壊滅していることをみると、本だけ扱う店がなくなるのも時間の問題だろう。
しかしCD・DVDというパッケージ媒体も伸びるビジネスとは思えない。現に冒頭のフロア縮小した書店も安売りDVDのコーナーは無くなってしまった。吉祥寺ではHMVに音楽雑誌が沢山揃っていたのが、撤退で入手困難になってしまった。代わって同じビルに小さなビレッジバンガードができたのだが、オモシロ指向であるために品揃えというのは意識されていない。
おそらくリアル店舗で品揃えによって人を呼び込むということはネットには敵わないのだから今後ありえないだろう。店舗の意味合いは「出会い」「発見」であって、品揃えよりもオモシロ指向・話題指向ということで、情報商材のコンビニ化をしていくのだろう。たとえ代官山ツタヤのようなところであっても、適時商品を入れ替え続けないと、同じ客層にリピートしてもらうことは難しいだろう。そうすると店舗運営は企画性が第1に、データ解析が第2になるのだろう。