投稿日: May 09, 2015 12:39:32 AM
昨今何かと物議を醸すドローンではあるが、明らかになった利点というか貢献の最大の点は、空中撮影であると思う、。ドローンにカメラをつけて飛ばすことに先行して流行ったのがGoProのようなアクション向けカメラであった。それらで撮影された映像がネットに多くアップされているが、まるでその延長のようにドローン映像もネットを賑わせている。知っているような光景でも、まるで自分が鳥になったかのような空中からの別の視点でみれると楽しい。
今売られているドローンはオモチャの分野であって、長時間運転とか悪天候には耐えられないだろうから、映せる映像にも限界はあるものの、人が入り込めないところの映像が撮れることは貴重である。よくあるのが廃墟映像で、崩壊のおそれがあって立ち入り禁止であるなどで報道できない場所も実態が明らかになる。こういう場所では万一ドローンが落っこちても人的被害はないだろうから、目下の遊びやすい場所である。
ドローン自体は戦争から災害救助までいろんな方面で実用化が進んでいくだろうが、どんな目的であれ人が行き難いところの映像を伝えるという役割もあることに変わりはない。これは放送のようにセンターからブロードキャストする方式の映像伝達とは異なる、ピアtoピアの映像伝達という2通りの映像コミュニケーションができることを意味している。それを制御する技術というのがこれから課題になる。
例えば子供の運動会があると、親が観客席でカメラを構えている様子があるが、これがドローンが容易に使えるようになったからといって、各家庭がドローンを飛ばして自分の子の撮影をするようにはならないはずで、運動場の真ん中に一つドローンを浮かべておいて、そこから360度の映像を配信して、親はその中から自分の子に焦点をあてて映像の一部分のみを取り出すような使い方になるだろう。
こういう視界を制御する技術は今まであまりなかった。それは人間がカメラを手に持って操作していたからであるが、そのようにはできない深海の撮影などではリモコンで泳ぐカメラなどが使われた。深海撮影は一般人には関係ないかもしれないが、今後は新しい映像の宝庫であるだろう。また戦艦武蔵をフィリッピン沖で発見したように、沈没船やお宝探しが盛んになるかもしれない。こういう用途でもソナーと連動して動く数多くの撮影ロボット群を管理するような方法が必要になるだろう。
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