投稿日: Sep 13, 2012 12:27:33 AM
マスメディアの時代が終わったと思う方へ
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査を元にした広告費動向の推移がGarbagenewsの記事http://t.co/ti90A4E8 にあがっている。この数年で日本の新聞広告は半減しインターネット広告は3倍になり、2012年の2月以降はほぼインターネット広告が上回る状態が続いている。ロンドンオリンピックは2012年7月27日から8月12日までだったので、8月にはマスメディア広告が伸びるのかもしれないが、それは一時的なものなので、もう新聞、TV、ラジオ、雑誌という4大マスメディアの時代は、少なくとも広告に関しては終わったといえる。
実際にはインターネット広告と4マス広告では機能が異なるので金額で比較してもあまり意味は無い。問題となるのは4マス経営の中で広告依存をしているところだけである。広告主にとっては媒体は何でも良いはずで、そもそもすでに4マスの費用対効果が下がったと見て経費を削ることは数年前から激しく起っているからこのような状態になったのである。しかしあくまでも4マスに依存した広告戦略が成り立たないというだけで、4マスに向いた広告がなくなるわけではないから、まだ下降が続くにしても4マスの活用というのも考えなければならない。
要するに広告費の配分が変わったわけだが、それは広告主にとっても大きな課題があって、広告効果が未知数の領域が広がることだから、むやみに広告費を拡大することはできないだろう。つまり広告の方法論がソーシャルメディア活用だの何だの多様になったとしても、総量としての広告費が増えるどころか、効果の不確かな方法にはお金をかけないという絞込みが働いていて、広告デフレ状態になっていると思う。
2003年くらいからクロスメディアをテーマにしていて、そこでは既存のそれぞれのメディアの特徴を活かした組み合わせという最適化を目指すような話をしていたが、この広告デフレ状態ではそれぞれのメディアの特徴自体をもっと効果が高いものにしなければならないというのが課題になってきている。つまり4マスであっても従来以上の効果のある使い方をしないと組み合わせても意味が無いからである。それは同時にインターネットやモバイル広告にもあてはまることで、重箱の隅のようなコンバージョン率とかを示すだけでは不足で、POSまで含めた広告効果の統計的解析が求められる時代になるだろう。ビッグデータ時代はきっと広告には厳しい時代になるはずだ。