投稿日: Aug 25, 2010 2:3:33 PM
大手メディアにとっても大変な時代だと思う方へ
以前にテレコミューティング(在宅勤務)のことを調べたことがあることを、先般ビルゲイツが「5年以内に最上の教育はウェブからもたらされるようになる」と言った時に思い出した。ビルゲイツの発言の詳細はわからないが、オンライン大学がリアリティをもってきたことは、およそ2つの意味があると思える。ひとつは情報交換の深度であり、もうひとつはオンラインコミュニケーションの容易さである。情報交換に関しては権威ある書物をKindleなどで見ることからGoogleDocs、Evernoteに至るまでこの数年で大きく環境が変わった。コミュニケーションについても特別なグループウェアなどを作らなくてもタダでSNSが使える。だから今の大学でも既存の教務や事務処理を再構築すべき時であり、GoogleAppsのようなクラウド導入の大学が増えている。
ビルゲイツはこういった状況の先を見て、5年以内…とかに何らかの想定をしたのだろう。しかし大学の情報交換とコミュニケーション環境の変化は、ビジネスにも全く当てはまることであるし、特にメディアを扱う部署とか企業にとっては業務の性質が大学と近いものがあるので、なおさら5年…とかのレンジで大変化があり得るような事業プランを考え始めるべきである。それは自分達の仕事の革新という意味と、新しい情報サービスという両面があり、今よりもっと流動的な状況になることは目に見えている。
つまり大学がひとつ所に集まって学ぶ現状のスタイルから変わることで教育機会が増えるとビルゲイツが考えるように、メディアビジネスをする人は商品やサービスをITでひねりまわすのではなく、組織も含めてクラウド時代に最適化して再設計することで、一皮向けたビジネスを創り出すことを考える機会である。そのためには自分の情報環境とサービスとしての情報環境を合わせて新しい仕事の調査・研究をして、投資・開発をすることになるだろう。以前はSFのようにいわれていたITやネットでこうなるというストーリーが目の前で繰り広げられようとしていて、あたかもパンドラの箱が開いたかのような状態になったからだ。
だからこの機に、かつてのメディアビジネスでは経営課題として改めて考慮しなかったような、クラウド、SaaS、BPO、オフショア、組織と雇用の変化、生活者のライフスタイル、教育、海外市場などビジネス環境の長期的な流れと、中期的な目標と、ここ2-3年のToDoを整理しておく必要があるし、過去のメディアの縦割りの世界から抜け出して、そのような意見交換ができる新たな仲間作りが重要になる。社内の意思決定も、教育機会も見直して、新たな風土を作らなければならない。