投稿日: Feb 28, 2015 1:30:31 AM
ものすごく久しぶりにCDというものを買ってしまった。以前から気にはなっていたのだが、買うほどのものではないと判断を下したはずなのに、YouTubeを見ていたら買っておこうかなという気がしてきた。それは、"Mick JAGGER & the RED DEVILS" というセッションのCDで、ヨーロッパでは同じ内容がいくつかの異なるパッケージで出ていたものが、どうも最近は品薄になってきて、ひょっとすると手に入らなくなるかもしれないと思ったからである。
ミックジャガーの単独LPのようなものはいくつもあり、最近はCDセットも出ているようだが、このREDDEVILSモノは全ブルースセッションである点が異なる。録音は1990年初頭かと思われ、テイク違いが幾つも入っていて、スタジオの様子も伺える。ジャケットはまるで海賊盤のような簡素なもので何も書かれていないが、1990年頃のミックの写真が使われている。発売もその頃なのだろう。
内容は1964年にまだブライアンジョーンズが居た頃、彼らが憧れていたシカゴのチェススタジオに行って録音したブルースと似ている。あれから30年ほど後のことであるが、ミックジャガーは以前よりも円熟していた。それは久しぶりにブルースをやってみましたと言うのではなく、ステージ以外でもしばしばブルースをやっていたことを示している。YouTube上でもリハーサルで自分たちの初期のブルースをしている映像がある。サティファクションの裏面にある Spider And Fly や、・・・Promotion Man(最長の曲名と言われた)などを後にも繰り返しやっている。ミックたちの音楽活動のひとつの原点がそこにあるからだ。
こういうことはいろんな人にあって、レコードとして発売する音楽と、自分たちの趣味でする音楽の区分けがされていることである。レコード発売は時代に合わせていかなければならないが、趣味は一貫しているということだ。外側から見ると音楽シーンはたゆまなく変化し続けているように見えても、アーチストはそうそう変わるものではない。外部から刺激を受けて変わる面もあるにしても、その人の原点となるような音楽体験が変わるわけではないからであろう。
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