投稿日: Jun 13, 2011 10:33:29 PM
夢のある出版を考えたい方へ
出版はミズモノと思われているが、それは大ヒット狙いの場合で、かつては根拠も無いのに広告キャンペーンで大衆的に売ろうとするギャンブルのようなベストセラー商売が幅をきかせたこともあった。しかし多くの出版はもっとニッチなもので、今日の世の中ではつつましいビジネスである。ところがマーケティング機能を持たない出版社が多く、流通も他人任せであることから意識としてはドンブリ勘定がまだ幅を利かせている。最近はネットという流通の可視化によって、ネットで直接販売に関わって、やっぱりもうからないことを実感することもある。だから出版は今までの版元・取次・書店の三位一体から思考が抜け出さないとネット時代では生きていけないと思う。
今更説明することではないが、何がいつ何処で売れているのかわからないこの三位一体こそドンブリ勘定の源である。本がそこそこ売れた時代はそれでもプラスが出ていたのだが、アップアップの今日では他業界を見習って経営的には転身するするくらいのつもりでメディア作りをした方がいいだろう。例えばコンビニとか回転寿司のような単価の安いマージンの少ないビジネスでも立派な経営ができるのは、採算限界をいつも見ながら、機会損出を最小にするような、沈没しない管理をしているからである。
コンビニやを回転寿司を支えているのはPOSの発展形であって、いままで数値化されていなかった現場のさまざまな事象から情報を得て、ビジネスの次ステップをどうするかに役立てている。それまでの売り上げが月や週や日計からのフィードバックしてたのと比べて、次第にリアルタイムの情報化がされて、緻密な管理が可能になって、回転寿司などはTVで紹介されたりもする。しかも現場の寿司職人には負担がかからないようなシステムになっている。つまりメディアビジネスであっても、現場の人間を助けるようなシステムが必要で、それが今までの広告宣伝やコンサルタントを超える科学的なビジネスの方法となり、また必須になっていくだろう。
従来の紙の出版ならば採算から逆算して束とか価格を決めて、値ごろのページ数を設定して、原稿を集めるようなことをしていたが、それよりも今どんなコンテンツをどのように売るべきかというところから逆算して、タイムリーかつ利用者が即買うことができる細分化された出版がeBookでは可能になる。またリフローだけでなく、ルビの有無とか、外国語表記をカタカナにするか原語にするかなども読者が選択できることもできる。こういった新しいスタイルを元に、教材やガイドブックが一皮むけて、しかも小まめな更新版をリピート利用してもらえるようになると、大量生産を乗り越えた機動的でノリのよいコンビニ的出版が可能になる。
コンテンツ管理やPOSの発展系と連携した出版で成功したものが、再編集されて紙の出版とか他メディアに展開されることになるだろう。
関連セミナー コンテンツのデジタル化でビジネス活性化 2011年7月1日(金)