投稿日: Jan 22, 2014 1:31:15 AM
「ミカドの肖像」第2幕
都知事選が近づいているかと思うと憂鬱である。なにしろコレといった立候補者がいないのだから。徳州会とか尖閣とか問題を起こした猪瀬元東京都知事だが、東京オリンピック招致に関しては一応成功して引き継がれている。尖閣買取については12億円だかの募金を集めたのが宙に浮いている。徳州会にすればたいへんなトバッチリだったのかもしれない。今まで他の知事にお金を融通しても問題にならなかったのが、なぜ今になってこうも問題にされるのか不思議だったかもしれない。なぜ猪瀬氏は都知事の座を追われなければならなかったのか? 結構なぞは多い。
おそらく2013年9月の東京オリンピック招致に成功するまでは猪瀬氏は泳がされていたのであろう。つまり猪瀬降ろしは随分前から決まっていたのではないかと思う。猪瀬氏を降ろさなければならない理由は徳州会にあるのでもなければ尖閣にあるわけでもなく、もっと根源的な問題が猪瀬氏にあったと考えられる。それを私が知っているわけがないのだが、いろいろと推測をしてみた。
猪瀬氏が都知事を引き受けた理由は、単純な動機ではなく、またそれは石原慎太郎ともどこかで通じるものがあると考える。そもそも一般的に右と思われる石原が、元左の猪瀬と組むことになった理由は何なのか?である。私は読んではないのだが猪瀬の「ミカドの肖像」という本のことを妻から聞いていたので、猪瀬はかつての西武に代わって東京都が皇族関係地を東京の再開発に使うことを画策していたのではないかと思った。このことは天皇制には否定的な石原と結びつく点である。
しかし皇族関係に手をつけるのは反撥がいろいろ予測され、その根回しとして右翼団体の一水会と仲良くしたのではないかと推測した。そこで一水会の機嫌をとるために石原時代に尖閣に関して都が行動を起こして盟友関係を築き、そのお礼が徳州会の口利きになったのだろうと思う。
そしてオリンピックを大義名分にすれば、国民の期待を背景に皇族関係地に一挙に手をつけることができる。つまりオリンピックも猪瀬にとっては目的ではなく、「ミカドの肖像」第2幕のための手段にしか過ぎなかったのではないかと思う。
東京の再開発はJR跡地とかJR駅まわりの次は大きなものが見えていない。かつて鈴木知事時代までは埋立地というのがあって、東京のひとつの区くらいの規模は拡張してしまった。しかし東京オリンピックが決まる前に、都が神宮球場と秩父宮ラグビー場を入れ替える再開発構想をしていることが報じられ、ピンときたものがあった。場所の入れ替えという再開発である。もし宮内庁管轄も動かすことができたら、東京の大改造が可能になる。
再開発案件そのものは自民党も大好きであろうし、潤う人も多いはずだ。しかし猪瀬氏は一水会と深くかかわりすぎて外交上の不利になったので、外交正常化のために外すべきだと考えた人がいるかもしれない。あるいは外交も含めて国政に抵触するような越権行為は許せないということかもしれない。また都ばかり再開発で潤うのは不当だと思われたのかもしれない。真相はわからないが、秘密裏に進められていた猪瀬氏の野望は一旦お休みになったように思われる。