投稿日: Aug 29, 2010 11:25:4 PM
ベンチャーを成長させるに何が必要かと思う方へ
「日本のウェブはいかにして世界を目指すべきか」というテーマがWISH2010にあった。youtubeもtwitterも日本人の反応は敏速で「実はアーリーアダプターなど目新しいウェブサービスに飛びつく日本人の割合は多い」といわれているが、日本でサービス提供に関して一部のSNS・ゲーム以外は、続々と次を狙うベンチャーが目白押しというわけではない。WISH2010に集まるような人の心理としては、日本で何番手になるのを目指すのではなく、イチローのようにアメリカで、世界で活躍してみたいと思う人が増えているのだろう。そこで世界を舞台とする場合に、日本発でいいのか、または日本を離れるべきか、というのが悩ましい。
TechCrunchなどに出てくるようなStartUpsは、日本でも考えていたようなモデルも多くあるが、日本でなかなか伸びにくいのはなぜか?WISH2010の発言などからは、ベンチャーキャピタリストの理解、特にビジネスとして成立するまでの投資金がでるかどうか、同時に短期にビジネスを掴むためのスピード感のあるスタートアップ環境などが日本の課題に思える。ベンチャーキャピタルにとっても、ビジネスが成立するかどうかの見極めが早くできないと困るだろう。そして伸ばせそうならガンガン加速して拡大できる環境は重要だろう。
アメリカのネットビジネスで感心するのは、eBayと楽天を比較するとわかりやすいが、楽天はモールのような場所提供型であるのに対して、eBayはGoogleのようなDBを内蔵したようなシステムで、そこでの販促ツールを次々開発して、それをみんなが使ってビジネスの切磋琢磨をするような、プラットフォーム提供型である点で、将来の急成長やスケールアウトを最初から想定して、そこに競争力を発揮できるような事業計画を建てていることである。つまり今日のデータセンタラッシュが象徴するように、ネットビジネスの急成長を支える基盤も同時に発達しているのがアメリカである。
日本の1980年代のINS計画でFTTHやVODは間違っていなかったが、広帯域通信の時代になったらデータセンタのようなビジネスがあって、そこにまたいろいろなプラットフォーム提供があることは、日本人がリアリティをもって捉えていなかったと思う。今の光の道でも行政サービスプラットフォーム、義務教育プラットフォームという議論よりは回線や端末の話に重心がいっているように思える。日本人はコンテンツの議論の方が好きなのだろうと思わされるが、コンテンツとマネタイズを直結させようというのは無理があり、その間にこれから成長するビジネスモデルを考えなければならない。これはマネタイズのメタ化であり、それを考えること自体と、そこを支えるビジネスという点でアメリカは一歩先を行っていると思う。