投稿日: Mar 27, 2014 12:50:38 AM
ベンチャーよ 大志を抱け
薬のネット販売に横やりが入ったことは記憶に新しいし、ネットにテレビ番組を経由させるサービスも必ず裁判沙汰になって、日本のスマートテレビは遥か先だなと思わされた。両方とも既存のビジネスを脅かすようなことは、非常に初期の段階から潰しにかかられるということである。ここがアメリカのように最初は自由にさせておいて、実際に被害が想定されるようになったら裁判沙汰になるのとは大きく違っている。日本はベンチャービジネスがどこかで起こると、それを危険視するかのように見張っている人が居て、実被害が何もなくても裁判ができてしまう。アメリカは新規参入者がある程度稼いでから、その稼ぎを横取りするかのような訴訟が起こされる。
こういう日本特有の早いうちから芽を摘んでしまおうとする姿勢は、海外のベンチャーには通用しないので、黒船はやってくるが日本側で迎え撃つベンチャーは居ないことになってしまう。役所から大企業までシステムやビジネスモデルは変えないのがもっとも望ましいといっているようなものだ。しかしそれでも技術革新には逆らいきれないで、ある段階でしぶしぶ対応する。日本のIT関連とかプログラマにそこそこの仕事があるとしても、そのような対応の中でやっているのでは先頭で戦うような資質の若者は育たないのではないかと思う。
よく大企業のITサービスが使いにくいとか(もっともeJapanはもっと使いにくいのだが)いわれるが、その理由はしぶしぶ対応するものとなっていて、発注者や開発者が自分の頭で考えて良いサービスを生み出そうとはしておらず、与えらた仕様を満たすように動けばよいという仕事の姿勢だからだろう。
これと逆なのが Appleが Steve Jobs の直接の指揮のもとに行っていたプロジェクトであり、製品コンセプトを実現するための彼の妥協を許さない姿勢が市場で勝ち抜ける製品を生み出したともいえる。
そうしてAppleも大企業になったのだし、HPなどシリコンバレーの先輩たちもベンチャーから中小企業を経て世界的な大企業として成功する会社をたくさん生み出している。
つまりベンチャーがベンチャーに留まらずに、社会を変えるほどの大きな会社を目指しているとか、ベンチャーの優れたところを買い取って大きな勝負に出ようとする一回り大きな企業がアメリカにはたくさんあるということでもある。
だから日本で中小零細のベンチャーだけをたくさん育成しようとしても、それでは社会的にはどのような効用もなくて、やはり社会を支える大きな会社や組織が自己変革を目指していないと、日本経済の再生にはつながらないだろう。ベンチャーが日本を救うというのは幻想だ。