投稿日: Apr 11, 2013 4:55:24 AM
Webがどれだけ役立っているかと思う方へ
Webサイトを作るとかWebの改修を行ってきて、結局は企業のWebはどう頑張ってみてもダメだと思った。通常はWebの集客をそれまでのマスメディアによるPRの置き換えと考えがちで、予算的にも広報予算でWebに手を加えるようなことが多い。しかしいくら自社サイトを良くしても、そこを訪問する動機にはならない。ポータルにバナーを出して誘導しても、再度訪問することには結びつかない。どこに動線をはればよいか考えてコンバージョン云々したところで、商品なりサービス自身がコンテンツとしての価値を持たなければ、すべて意味が無い。と言う点でWebが頑張れることには限りが厳然としてある。
企業Webの存在価値が無いというのではなく、企業のコンテンツの価値を表現する場ではあるが、それ以上の宣伝効果のようなものは期待できないのではないか。実際には口コミとかメディア露出、また営業活動と密接につながって、それらからのコンタクトをしっかり継承することが企業Webの主たる役割になって、それは宣伝と言うよりは「コミュニケーション」の領域である。企業と顧客のコミュニケーションはどこかの部署が専門に行うものではなく、従来から顧客コミュニケーションをしていた企業内のそれぞれの担当が、Webやネットを介することで、どれだけコミュニケーションを増やしていけるのかが課題になる。
これはマーケティングでいえばインターナル・マーケティングであって、従来は広報部門が外部の代理店などを使って行っていたマーケティングとは異なり、企業の姿勢や商品・サービスの魅力をまず社内に浸透させることから始める。記事『広告に追いつかない現実』では、広告表現が優れたものになればなるほど、組織内部の欠陥を外部から見えなくするとか、実際以上のものに思わせてしまうことが広告不信を起こすことを書いた。だから逆にその企業の人と接することで、「広告以上の会社なのだな」と思わせるくらいの良いコミュニケーションを心がけないと、広告に使った金は逆効果でウソツキ企業ととられてしまいかねない。
よくトラブルがきっかけで、それを真摯に解決したら従来よりも良い関係になったということがあるように、日常どれだけコミュニケーションを改善できるかという視点でWebにも取り組まなければならないはずだ。ところが最近はWebには住所もコンタクト先も入れないサイトが増えている。つまり根掘り葉掘り調べられたくないというか、姿を半分隠しながらビジネスをしようということだろうか?
時代とともに企業は電話問い合わせもコールセンター任せにする傾向なので、応対能力はしだいにコールセンターの方に溜まってしまうと、企業の中の人が育ちにくくなるだろうし、Webやネットでコミュニケーションを円滑にするのも難しくなるだろう。