投稿日: Mar 12, 2014 12:5:30 AM
なんとなく頭に浮かんだこと
研究でもビジネスでも切磋琢磨するライバルは有用なものである。それも自分の目標とできるような尊敬に値するライバルが居る人は幸せだ。自分がすべきことの焦点が定まるからだ。しかし相手に対する尊敬がないとすると、羨望や妬みのタネになりかねない。そのようにして歪んだ鏡に自分の姿を映すことになった人は不幸だ。そのような関係でビジネスをしていると、足の引っ張り合いとか泥試合とか、顧客そっちのけの醜い戦いになるかもしれない。
それが研究の場であったならば、ライバルに差をつけられたのを埋め合わせるために、功を焦ることになり、真理の探究ではなくインチキ・不正に手を染めてしまうかもしれない。
もしライバルの業績が素晴らしいもので、ノーベル賞の候補になるほどだと、自分はどうするべきだろうか?今までの研究だけでは差は開くし、世間の評価も得られないとなると、ウルトラCを探さなければならない。もしそんなネタがあったならば、多額の研究費も出してもらえるかもしれない。
そんなある時に若い研究者が面白い発想をしていることを聞きつけ、ひょっとすると化けるかもしれないと思った。その研究者を自分のチームに入れるべく、まずは博士号をとらせて客員研究員として引き込み、自分の組織でウルトラCのプロジェクトを作ろう。
しかし若い研究員はまだ博士論文をとるにも不十分な段階だった。だからちゃっちゃと取れるように指導してやらねばならない。そこはちょっと手抜かりが起こってしまって、重要じゃないからマいいか、と既にあった英文の解説をコピペして教えてやった。まさかそのまんま博士論文に使うとは思わなかった。
博士がとれたので組織に引き入れてウルトラCが始動した。タイミングとして重要なのは研究費の確保である。ノーベル賞レベルのインパクトのある発表をしなければならないのだが、研究費のための審査や予算をつける時期が迫っている。十分な追試は予算がついてからやることにして、若干のフライング気味でも発表をして、大きな一歩を踏み出そう。賭けかも知れないが、今までの「負け」を挽回するチャンスである。
このプロジェクトにまだ未熟なところは多々あるが、どうかバレませんように、と祈っても、そんなことは神もホトケも誰も支えてくれないのである。