投稿日: Jun 25, 2013 1:3:39 AM
規制は嫌だという方へ
ウチの子供は小さい頃は小学生新聞とかに目を通していたが、若者になってからはコミック以外の紙媒体は殆ど目を通さずに、ニュースもテレビは見ずにスマホばかり使っている。母親も似たようなものでテレビも殆ど見なくなり、スマホでYouTubeをよく見ているようだしニュースも同様、また電子書籍をスマホで読む。雑誌は私がとっている1ヶ月に1冊だけである。しかしそれで情報に接するという用が足りている気はしない。確かにYouTubeでも何でも新聞雑誌以上のものはネットにはあるが、それはどちらかといとマスメディアに載らなかったニッチな情報を追うには好都合でも、逆にどんな紙の媒体にも採り上げられることがなかったようなゴミ情報も非常に多いからである。
以前、写真投稿サイトにフェイクが多いことを書いたが、これはジョークのつもりで投稿しているとしても、それを引用する人はジョークであることをほのめかす情報を削除するとか、むしろ人を驚かす目的でさらにphotoshopで加工してSNSなどに使うことがある。よく写真に「いいね」を押させて、ソーシャルグラフを悪用するような時に使われる。こういうことがどんどん起こってくると、日本は性悪説でネットは危険だという論調が強くなり、良いことにネットを使うことでも制約が多くなる傾向がある。
ところがアメリカではトータルな損得を考えてネットを使うほうにシフトしてきた。アメリカが性善説なわけではないが、自己責任という考え方が強いからだろう。また自己責任だからこそトラブルが起こった際に他人任せではなく、個人が訴訟に持ち込むことになる。日本人は訴訟がいっぱい起こるのは嫌だから、予め禁止してしまいたくなるのだろう。これらはネットに限ったことではなく、出来る限り自由にさせておいて問題があれば訴訟で公に問うという社会ルールだと考えられる。
つまり一般人に自己責任をおわせるには限度があり、一般常識とかリテラシーで片付かない問題は法制化するのだろうから、ネット利用のリテラシーを上げることがネット上の自由領域の拡大になる。個別の訴訟が嫌だとすると、では日本ではそれは誰がやるべきことか。それは既存メディアに任せられることではなく、ネット利用を重要だと思う人が、啓蒙的活動やロビー活動が出来るようにならなければいけないわけで、津田さんもそもそもはそういったNPO活動の人であったのだが、今は個人活動が中心になっているように思える。
日本のリアルな社会においてはそういった活動は公益な団体を作って、例えばネットでビジネスをしている会社が会員になって支援するような形で「業界の健全な発展」みたいなことを推進してきた。広告も通販も自主規制とロビー活動によって伸びた世界である。おそらくネットの情報もリテラシー向上と自由領域拡大をバランスよく進める組織が必要になるだろう。