投稿日: Oct 23, 2014 1:36:0 AM
クールジャパンについてはメディアの人はアニメとか漫画というサブカルの輸出を一番に思い浮かべるだろうが、記事『クールジャパンの評価と収支 』にあるように、最大の目標はファッションの輸入超過を何とかすることであるし、目下の戦略としては日本食があり、これはメディアコンテンツの15倍のスケールである。
つまり漫画・アニメなどだけの一人相撲をするのではなく、食やファッションというものもからめて日本オリジナルなコンテンツを作っていった方が、出番が多いだろうし、受け入れられやすいのではないかと思う。
しかしテレビで出てくる日本食というのは寿司だったり懐石料理だったりで、日本人としては納得できない気がする。私が子供の頃の家庭は基本的に日本食であったのだが、実際に喰っていたものは、塩シャケ、タラコ、魚の干物や粕漬け、などが多く、弁当にもよく入っていたように思う。メザシとか煮干はオヤツにもなっていた。
まだ冷蔵庫の無かった頃で、生魚は旬のものに限られていて、主婦の料理としては旬の魚を煮たり焼いたりして夕ご飯にしていた。肉は給料日の後などに「今日は肉だ!」というノリで、たまにしか無かったと記憶する。野菜の種類も限られていたが、今とはちょっと違い、春には土筆も和え物にしていた。
こういう家庭の素朴な日本食は商業化には向かないから、殆ど顧みられることはない。しかし高齢化社会の中では(塩分とかは見直さなければならないが)、かえって体によい部分もあろう。ホリエモンも受刑の食事でスリムかつ健康になった。
明治になって日本を訪れた西洋人が記録しているものでは、日本人の健康さに驚いているものがよくある。ところが今では日本も成人病が増えて中高年以上の医療負担が非常に大きくなっている。
かつてのSteve Jobs を含めて、アメリカにはベジタリアンとか日本食ファンがそれなりに居るのだが、それらの人はグルメでそうしているというよりも、西欧の食事が健康に悪いから日本食に目をつけているのである。つまり先進国の健康問題として日本食をちゃんと考えて情報発信する必要もあると思う。
ネットのせいではないが怪しい健康法とか民間食事療法はゴマンとあり、それらに関連付けた健康食品もたくさん売られているものの、怪しくない日本のスローフードの情報は極端に少ないように思える。
病院では疾病対策のレシピのパンフや小冊子を置いていあるが、そういうネタでもっと読んで見て面白いコンテンツが作れるのではないかと思う今日この頃である。
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