投稿日: Jul 02, 2014 12:44:47 AM
過去に何度か、facebookなどのSNSが最初に語られたようなソーシャルグラフに基づくアプリをうまく開発してこれなかったことを書いた。ソーシャルグラフを活用しているのはスパム広告くらいだったかもしれない。SNSがうまく進んでいないのはfacebookだけの問題ではない。Mixiはfacebookに追い越されて窮地に立つかと思ったらゲームで会社は挽回した。しかしSNSの本来機能では勝負できなかった。
SNSの本家であるオーカットはGoogleに買われたものの活かされることなく、この9月には終了するという。どうも今までのSNS礼賛は改める必要があるのではないか。
SNS的な機能を付与した投稿型のサイトはいろいろできたが、コメントとかfacebookへのfeedの機能は当たり前になりすぎて、SNS連動は投稿サイトの付加価値というほどのものではなくなっている。そうしたネタ投稿サイトはどんどん増えても、それを受けるSNS側はこれといった進展がなかったと思う。
最近のfacebookを見ていると、何年も前から面白写真や面白動画として時折ネットを賑わすような古いコンテンツがよく見受けられるようになっていて、タイムラインの表示のされ方が変わってきたように感じる。つまり世の中で多く見られているコンテンツが優先的にでるようになっているのではないか、ということだ。
これはfacebookが広告をするうえでは閲覧が増えた方がいいので、そのようにする可能性はあると思うが、そうするとマスメディアに対峙するSNSではなくなってしまって、果たしてそれでいいのかどうかと思う。利用者の視点で考えれば、SNSを使っているグループなりソサエティなりコミュニティが自分たちのコンテンツを生み出す力をつけていかなければSNSは使うに値するものではない。一般的なニュースや面白情報をSNS内で共有することよりも、SNSというものは自分たちが考えて議論してコンテンツを生み出す場であって欲しいはずだ。
facebookの利用者は減り始めている。facebookのノート機能などはそれほど広く使われておらず、facebookがメディア化する方向にはないことを以前に書いたが、現実問題としてはfacebookもセキュリティとかスパム対策以外の開発が何もないのではないかと思わされるほどタイクツな時代になっている。SNSの発展とは利用者数が何億人とかいう数字の大きさだけで、結局広告モデルしか機能していない。収益は広告モデルでしかないわけだから仕方がないのだが、今のままで利用者をエンパワーできないとなると、この先が思いやられる。