投稿日: Apr 06, 2011 10:43:12 PM
メディアの統制はバカげていると思う方へ
昨日はがっかりな通達が出された。「東日本大震災に係るインターネット上の流言飛語への適切な対応に関する電気通信事業者関係団体に対する要請」 http://www.soumu.go.jp/main_content/000110048.pdf というもので、総務省が社団法人電気通信事業者協会、社団法人テレコムサービス協会、社団法人日本インターネットプロバイダー協会、社団法人日本ケーブルテレビ連盟などに不適切なネット書き込みの検閲・削除を求めるものだ。本当にそうしないと社会的混乱を引き起こすのなら国民のメディアリテラシーはネットを有効利用できるところまで達していないわけだが、ここは逆で中央官庁の人ら自身のデジタルメディアリテラシーの低さの故にインターネットを十羽ひとからげに怪しいといっているに過ぎないと思える。
チェーンメールはインターネットでなくても起こりえるわけだし、マスコミ報道で農産物の出荷自粛などが放送されると店頭では売れなくなるとか、デマ・風評の広がりはネットがたきつけているわけではなく、むしろ何が真実か知ろうとしたときに役に立つのがソーシャルメディアになっていることを、記事『ソーシャルメディアが市民権を得るまで』で書いた。クチコミが情報拡散中心であるのに対してソーシャルメディアの方がレスポンスが得られる双方向性であることが活きるようにできる。確かに炎上とか誹謗中傷が広がったこともあったが、同時にそれを諌める投稿もあって、次第にメディアとして進化してきたし、これからもまだまだ進化するものである。
メールのニューズグループでも掲示板でもBlogコメントでもSNSでも同じ情報発信ができる。しかし炎上や誹謗中傷という点では既に進歩していて、外部の知らないところから掻き回されないように発信者側のコントロールが高まってきたし、実名とかでレスをつける人の顔がうかがえてリアルな世界の礼儀がネット上でも働くような制度もできつつある。ソーシャルメディアは技術と制度の両面をうまく使えば「良貨が悪貨を駆逐する」ような方向で使えるはずだ。これはネット上の情報がすべてよくなるという意味ではなく、Wikipediaの共同編集のようなコネクテッド・インテリジェンスが働くという意味で、それが社会の表面に立てばゴミのようなデマは区別がつくようになるということである。
マスメディアが偉そうにできるのは、情報のウラ取りをしているからで(してないこともあるが)、そのために情報発信に半日とかのタイムラグが生じてしまい、twitterよりは確実に遅い。しかしインターネットではリアルタイムに情報を発信しながらも、更新もずっとフォローするようなtogether的な経緯を表す方法もとれる。Wikipediaの編集中のようなニュースも可能なはずで、今後は事の真偽を確認するにはネットメディアが一番というような時代になるだろう。すでにソーシャルメディアを活用している若者層のことを大人は理解していない。彼らの未来のためにもメディアの進化に希望とか目標を掲げる人が増えてもらいたい。
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