投稿日: Oct 30, 2014 12:3:19 AM
あと6年ほどだが、2020年の東京オリンピックの頃には…という将来予想がいろいろできるようになった。一般に中期経営計画で5年先を考えることはなかなか苦痛である。世の中にはいろんな資料があるものの、個々にそれらを見ていてもなかなかイメージがわかないとか、自分のビジネスに結び付けて考えにくい。それは自分の中期経営計画というのは、ステークホルダや他社の経営計画と連動していて、自分だけで計画をたてても独善的なものになって、机上の論理・砂上の楼閣を弄んでいることになりはしないかと心配だからだ。
ところが2020年の東京というのが次第にイメージされてくると、なんとなくいろんな産業の予測も見えてくるようになりつつある。世界的な動きでも2020年には…という視点で見れば、そのころの経営環境がわかりやすくなる。例えば中国のGDPがアメリカを追い抜いて世界一になるとか、広告ではテレビが王者の時代が終わってモバイル広告が王者になるとか、かなり蓋然性がある。
中国は世界の工場として裏方仕事をしていたのが、世界に向けてネットで直販をするようになるだろう。そうなるとAmazon はどうなるのだろうか? また中国は輸出型の国から内需型の国になりつつあり、消費者が増えていくので、日本との関係もかなり変わる。
中国に代わってインドが世界の工場のナンバーワンとして台頭する。印中バランスというのがアジアの経済を左右する要素となる。日本は広がるアジア市場に向けてどういうことをしていくのだろうか?今のところ消費国で現地生産するような展開は地元経済との関係も良く、ビジネスが伸びているので、こういう三方得(日本良し、現地生産者良し、現地消費者良し)が進むと思う。
これができるのは、日本国内で築き上げたブランドの信用力のある製品がいろいろあるからで、そこが「世界の工場」として生産の競争力だけある国との違いである。また「世界の工場」の背後にはAppleのようなグローバリズムがあって、世界相手に富を得るためのマーケティングがあるわけだが、そういったアメリカ流ビジネスには抵抗感もあるアジアの人たちなら日本流ライフスタイルを受入れてもらえやすいだろう。
日本が世界を相手にブランド戦略をすることは、ある時には家電などで成功したこともあるように思うが、まだ実力は備わっていないように思う。それよりも日本で高い評価を得て、アジアに波及するような商品つくりが先決問題だろうし、すでにそのように中小企業も動いている。こういうことの積み重ねで、自分たちの環境がどのようになりそうかを考えることができる。
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