投稿日: Apr 29, 2015 4:14:34 AM
ここ何年間、YouTube有料化の話が出たり消えたりしていたが、どうなったのだろうか?YouTubeで動画を見ようとするとスポンサー広告が現れて何秒か待たされるのは不愉快極まりないので、月額の料金が低額ならば有料化しても成り立つのではないかとか考えられてきた。2014年末には月額$9.99で「Music Key beta」のβ版サービスを行っていたようで、「Google Play Music」の3000万曲以上の楽曲も聴けるとのことだったが、日本では使えないのでその後のことは知らない。
AppleもAmazonも月額10ドルほどのSpotifyと同じようなサブスクリプションモデルをテストしている。YouTubeはオススメ機能が強力で、また自分でチャンネルを作っている人もたくさんいるので、面白い音楽メディアになる可能性はもっている。また有料化はサブスクリプションに限らず、今までYouTubeが投資して築いてきたインフラ部分を使えるとなると、コンテンツホルダーからお金を取って配信して、マーケティングデータとするようなサービスもできるだろう。例えば音楽教材などの配信サービスで、利用者の管理まで含めるようなものである。こういうコンテンツ管理や利用者管理をすることで、それらが再びYouTubeに不正アップロードされることを防ぐこともできるだろう(アップロードをさせなくすることができるという意味で)。
いままで構築されてきたタダで使えるインターネット上のサービスは多くあるが、YouTubeはまだしもビジネスの可能性が多く残っている方で、他の広告モデルのサービスは一旦シュリンクする時期が来ると思える。今までは紙や電波で使われていた広告費がネットに移行することでインターネット広告は伸びてきたが、これからはインターネット広告の有効性が問われるからだ。実際のところ広告主の経験としてネット広告が非常に重要とは思われてはいないのではないか? 紙や電波でも目立つ広告枠をライバル企業に明け渡したくないという理由で広告出稿を続けてきたこともあるはずだからだ。
しかし紙や電波の広告費を削減しても売り上げにあまり影響しなかったように、おそらくネット広告を減らしても売り上げにあまり関係ないという時代になってくると、ネットの広告モデルの伸びも止まってしまう。
企業の広報目的では自社サイトを充実させるのが根本で、そこに誘導するためにどこかに広告も打たなければならないのであって、広告に費用をつぎ込んでおきながら、自分のメディアは粗末で閑古鳥状態では意味がないから、当然ながらその費用を重視して広告出稿費の枠は限られてしまい、広告モデルが伸びる要素はないのである。
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