投稿日: Jun 20, 2013 5:10:19 AM
仕事がドライになっていくと思う方へ
日本でもECやSNSは普及したのだが、他国では日本以上に活用度が高くなったところがいくつもあって、特にアジアではネット利用で社会生活が変化している点が多い。それは社会的に未整備なところがあったために国内の格差が大きかったとかムダが多かったとか、マーケティングができないといったハンディのあった国ほど、既存のフェイスtoフェイスサービスに変わるネットを使った業務改善が容易で、しかも効果が大きいのでネットが重要視されるからである。
それに比べて日本のように既存のサービスが制度としては整備されつくしていると、利用者の便宜よりも制度の維持を優先にしてネットに対して消極的になりがちである。eJapan・住基ネットなどもSNSやLINEのようには普及しないのである。そうしている間に日本の仕事の効率と世界のそれとの隔たりは大きくなっていく。クラウドソーシングはネットで雇用が増えるところで伸びていくはずだ。
アジアはネットで活気を得た点がいろいろあって、印刷関連ではDTP制作の下請けというのが相当量アジアに流れ出した。これは国内業者のコストメリットからくるもので、人件費が安いというのが最大の理由であったが、それだけではなく日本よりもドライな仕事のやり方できる点がある。このドライな仕事方法に関してアジアの外注先の方にいろんなノウハウが溜まることになろう。
つまり作業者の雇用や管理というのが日本から離れたところで行われるが、そこでは日本国内では行えないような大胆なやり方がアジアではできてしまうからだ。作業者の採用時のスキルチェックと契約賃金、各作業の時間管理や品質管理、ミスのペナルティ、支払い、評価・昇給、といったことをすべて連動したシステムが作りやすいので、中間管理者が自分の裁量部分として悩む問題が少ないドライな関係ができる。
人の採用も仕事の割り振りもシステム的に管理すると、職場が味気なくなるとか、モチベーションが云々というのは日本特有の感覚で、すでにアジアのBPOは十分な機能を果たしている。むしろシステム的な管理であっても仕事がないよりはあったほうがいいのがアジアなのに、日本人はどうしても自分をいかす仕事をみつけなければならないという気運があるから、かえって単純仕事はアジアにでてしまうことになる。
クラウドソーシングというのは従来のBPOの労働力の門戸を広く広げたようなものともいえるだろう。つまり上記のシステム的な管理のBPOが先にできていないと、クラウドつまりコンビニ店員のように差し替え自由な労働力を調達して顧客の要望に応えることはできないはずだ。
働く方から考えると、今でもデザインやPhotoShopの仕事をやってくれる人をネットで探して海外に依頼する例はあるが、今まで安くコキ使われていたアジアの作業者はスキルアップするとネットで割りの良い仕事が見つかる。人件費の差も質の差も縮まっている。日本の作業者は彼らと戦わなければならなくなる。それが嫌ならば、もっと高い品質を生み出すクラウドソーシングとかBPOの仕組みを作り出す開発を仕事にしなければならないだろう。