投稿日: Jul 23, 2014 12:49:37 AM
先日 久々のフォント関連の発表があったのだが、下の2つの関連はわかりにくいが、中身はもっと解り難いのではないか。
Adobe、日中韓の漢字を網羅したオープンソースのフォント「Source Han Sans」を公開
Google、日本語・中国語・韓国語をカバーしたオープンソースフォント「Noto Sans CJK」
フォントウエイトは7種類。各国語の字体バージョンや異体字もサポート
日本の利用者にとっては、モダンなゴシックで7種のウェイトのあるものがタダで使えるということで、ややこしいことは考えないのであろうが、なんとなく似たモノが増えてきたなと感じる人はいるだろう。何年か前からIPAフォントというタダで配られるフォントがあった。そのうちゴシックは(株)タイプバンクの社長でありフォントデザイナの故林隆男によってデザインされたTB明朝・ゴシックがベースのものである。ウェイトの異なる商用版はタイプバンクから提供されていて、モリサワのメニューの中にもある。
今回の Source Hans Sans(源ノ角ゴシックと呼ぶらしい)や、Noto Sans CJK の持つ意味は、多バイトのユニコードのマルチリンガルなフォントセットということで、日中韓(一般にCJKと呼んでいるが)漢字を統一的にデザインした点で新しい時代のフォントであるといえる。(ハングルもサンセリフで7ウェイトあるのかどうか確認してはいないが…)
もともとCJKの文字コード統合も欧米からするとアジアの漢字圏各国の対応はやっていられないから取り組まれたもので、フォントもそうなるというのは当然ではあるのだが、使う側からするとあまり東アジアのマルチリンガルな用途は今までの印刷の世界ではなかった。
しかしネットの時代になると、しかも自動翻訳がこれからさらに進むとなると、デジタルのテキスト情報をサーバで自動的に各国版に切り替えて表現する機会は多くなるはずである。そういった時には今回発表のフォントのようなものは増えてくるだろう。
ただ現状では、特に日本の編集・制作では未だにシフトJISで作っているのが主流で、ユニコードに対応していないアプリもある。またCJK文字を適切に使うためのアプリも必要になるだろう。上の骨の字体は、左から、簡体、繁体、日本、韓国の例で、繁体は画数を減らしていて、繁体は台湾の肉月でデザインされている。まだ字が異なるとまだ統一的にはデザインされていない要素は残っている。だから表示されている文字の字体がなぜそうなのかを理解するには何らかのツールが組み込まれていることが必要になるだろう。
CJKの漢字理解は結構難しいかもしれない。
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