投稿日: Nov 28, 2010 11:15:38 PM
もたれあっていては未来は無いと思う方へ
かつて日本は護送船団とか、行政指導で業界ごとの施策を作って産業振興をしていた経緯があって、それらに非協力的な会社であると一匹オオカミとかアウトサイダーと呼ばれたものである。これは企業に対していろいろなサービスをする業者にも好都合な点が多く、有名などこそこ会社も採用していますよ、という『何々業界向けソリューション』を作ってコピペ提案をすれば仕事がとれた時代があった。他人に資本を出させて日本中に似たテーマパークを作らせ、田舎を旅していると自然の中に突如ジェットコースターや観覧車が目に飛び込んできたものだった。つまりソリューションや提案に盛り込むべき要素はだいたい決まっているので、広告代理店のようにサービスを総合化したり、コンサルティングにおいてもシンクタンクのようなスタイルが成立していたと思う。
マスメディアは垂直統合のビジネスであるが、各社のモデルは似たものであるように、ビジネスモデルというのはステレオタイプ化していた。しかしインターネットで無限につながるデジタルメディアのビジネスは、垂直統合のように自社でコントロールできる要素は少なく、変化する社外の要素を使いこなすことが非常に重要になる。インターネット上のビジネス要素としては、マーケティングではソーシャルが、マネジメントではクラウドが、トランザクションではマイクロペイメント・ポイント交換・チャージなどが、課金では何々プランが、マーケットプレイスはECやアフィリエイと、リアルな部分はフルフィルメントなどのアウトソーシングがうまく使えなければならないので、従来の「ホールディング+事業会社」という管理体制とは異なる要素が求められる。
今はシンクタンクの何々総研よりは、個別テーマの何々総研という調査・コンサルタント会社が活動するようになった。しかし前述のような社外要素を総合化して相談に乗ってくれるところは減ってしまって、一匹オオカミとかアウトサイダーを白い目で見ていたような日本的企業は戸惑っている時代である。むしろ既存の何々業界にはハマっていなかったソフトバンクや楽天、TUTAYAなどの企業の方が時代にふさわしい動きが出来る。日本企業の閉塞感の裏側には、日本人が捨て切れていない、護送船団的行政の関与を求めたり業界仲間意識依存の幻想のような、内なる意識の問題がある。
インターネットと関連したビジネスは今後とも技術革新に揺さぶられながら、舵取りが難しいものなのだが、変化し続ける上記のビジネス要素をよく理解して、一般論ではなく自分のビジネスモデルを巧妙にすれば、場合によると大ブレイクもありえるものなのだろう。MEDIVERSE(http://www.mediverse.jp/)は、こういった将来に向けてビジネスを再構築するための「次世代メディアビジネスプログラム」を準備している。その中心となるのは、ポストメディア時代のビジネスモデル、メディアのアーキテクチャ、マネジメント、マーケティングで、それらと平行して、クラウド化する社会、モバイル化する社会、企画力開発と情報活性化、情報社会とジャーナリズム、などのテーマを取り上げていく予定である。
まず2011年の動向を予測することをキックオフイベントとして、2010年12月14日(火)に行う(無料 http://www.mediverse.jp/)。メディア関連事業をしている各社の2011年計画のために参加をお勧めします。