投稿日: May 10, 2010 11:38:48 AM
どうもアメリカに気後れしがちな方へ
これから最も影響力をもつメディアはソーシャルだ、と思い込む人と思い込まない人の間の意思疎通は次第にできにくくなっていると思える。既存メディアとデジタル・ネットメディアのコンフリクトはいろいろなところで見られるが、放送か通信か、パッケージかネットか、TVかPCか、有料か無料か、Webかケータイか、など過去に議論された論点はほとんど影を潜めるようになりつつある。またジャーナリズム、マーケティング、ラーニング、エンタメなどメディアの役割の違いやネットでのビジネスモデルの作り方も、ソーシャルメディアの大波の前にはたいした問題ではないように思える。この2年ほどの間にソーシャルメディアはそれほど大きな存在になった。
このソーシャルメディアを作り上げてきた人たちは、それまでのデジタルやネットの人とはどこか違う。例えば以前は個人情報が云々という議論があったが、Facebookやtwitterのような実名のソーシャルメディアが以前のものを凹ませて伸びたのである。DRMも議論の対象ではなくなったように、同じデジタル・ネットの利用とはいっても問題にすることが変わったのである。第2フェーズのネット利用とでも言おうか、大いなる世代ギャップが感じられる。
日本においても40歳までと50歳代のIT・メディアの経営者には雰囲気の違いがある。なぜだろうか。40歳以前はその人たちが社会に出る前からパソコンがあって、それで遊んでいた。50歳代になると社会に出てから仕事の道具としてパソコンに触れた人が多い。またアメリカがいつも頭ひとつ上にある感覚があった。両者ではコンピュータの身近さが違うようで、50歳代のベンチャー社長はSNSやtwitterにはマメになりにくいが、アラフォー社長は自然にがんがん使う人が多い。とするとやはりソーシャルメディアを社会に役立つようにもっていく役割はアラフォー世代に担ってもらうしかない。
この世代はITに関しては世界同時進行を経験しているので、今まではアメリカ型のメディアリテラシーに自分を当てはめていたかもしれないが、アメリカのITの手の内を知ったならば、オリジナルな発想で世界に出て行ける可能性もある。この人たちが日本の島国的あるいは村社会的な発想に染まらないような情報環境が急務な気がする。