投稿日: Feb 24, 2012 12:27:34 AM
あれもこれも案件が増えたと思う方へ
スマホ関連は日常のニュースにもさまざまに取り上げられるようになった。中学生がアプリを作って凄いみたいな話もある。今のアプリ制作環境はいろいろな制約が多いとかタッチのユーザインタフェースの機能は少ないために、ある意味では立ち上がりやすくなっているのだろう。過去には30年前にBasic言語が流行った時に、アマチュアがBasicでアプリを作る楽しみというのが出てきて、その後Dosの時代もWindowsでも、ネット時代のjavaアプレットでも、素人の参入機会というのが増えていったが、成功するとしてもシェアウェアが関の山で、ビジネス化するようなものではなかった。
こういったコンピューティングの変化に対してエンタプライズ系は後手にまわっていて、最近大赤字を出すようになったホストコンピュータ会社は、官公需要に対しては2世代遅れくらいの使い勝手の悪いシステムを延々と作ってきた。業務用としては素人がやっているようなボトムアップの開発ではできないことは明らかではあるが、そのボトムアップから人々のコンピュータリテラシーの変化を感じ取って先回りをすることがシステム設計上は必要なことであると思う。
民間では店舗とか営業のビジネスフロントのところにiPad・iPhone・スマホを、これ見よがしに使うところも出ているが、それはそれで正しい。それは広報的な役割だけでなく、フロントの操作・表示などユーザインタフェース部分と、バックヤードのデータベースやトランザクションを区分するという点でも理にかなっている。企業の基幹システムはがっちり作り込まなければならないが、マーケティングとか新サービスとかフレキシブルな運用が必要なところが基幹システムの石頭に制約されてはまずいので、そういった部分はデータを取り出してクラウドを活用するようになってきた。こういった組み換えや連携を行っていると、違和感なくビジネスフロントは時流に合わせて最適化することもできるようになる。
つまりビジネスフロントでPOS代わりだけにスマホ・タブレットを使っているのか、そこに電子化カタログや販促の仕掛けやマニュアルなどビジネスの助けになる要素も加えているのか、という温度差はあるのだろうが、営業教育・店舗拡大・顧客サポートなどいろいろなことがIT化していく中で、それらが組み合わさって高い効果が出るようなトップダウンの考えがなければ、細々としたIT化案件に翻弄されてしまう可能性もある。
ボトムアップとトップダウンが噛み合わなければ、IT化はムダが多くなってしまう。