投稿日: Apr 21, 2012 12:39:29 AM
サービスのスマホへの転換が課題の方へ
モバイルの店に行くと必ずスマホを薦められる時代なので、スマホの売上げが既存ケータイの倍近くになりつつあるのは当然だ。昨年からこういった時期が到来することは明白だったので、記事『Android戦国時代』にあるように2700億円もあるiモード有料コンテンツがどのように動くかが目下の大きなテーマになった。下図はアスキー総合研究所コラム『戦後最大のメディアのイス取りゲームが始まっている』のもので、2010年から2011年にかけて日本人のメディア消費構造が大きく変わったことを、消費行動やネット・コンテンツに関する1万人調査(http://research.ascii.jp/consumer/contentsconsumer/)から分析している。ここでもスマホ利用の急増と既存ケータイの利用が1割ほど減った結果が出ている。
いよいよケータイサービスのビジネスが下落してきたことは業者の決算にも現れるようになってきた。(http://www.mti.co.jp/?p=9206)当然ながらケータイサービスをスマホ上に切り替えることは行なわれているが、それで事業をさらに伸ばすのは難しいようだ。上の図で不思議なのはテレビで、地デジ化して立派なデバイスになったものの、視聴時間が減っている。昨年は震災の大ニュースがあったにもかかわらずである。これはおそらくテレビというデバイスが放送受信以外の目的に使われるようになったからであろう。
つまり何が難しいかというと、異なるデバイスも同じ人が使っているので、デバイスの能力が変わると人の側からすると各デバイスに期待するものとか、使い分けのやりかたが変化するからで、これはコンテンツやサービスが別のデバイスへ流出してしまうとか移行することを意味している。デジタルテレビで文字がクッキリ見えるようになると画面に何を表示するかが変わるし、スマホで動画がスムースに見れるなら、断片的ニュース映像はスマホで済んでしまうなど、メディアの考え方自体が変化してしまう。
今日ではメディアというのは決まった形をもたないもので、デバイスの間をジプシーのように移ろうものとなるかもしれない。こういったコンテンツとデバイスとメディアの関係が組み変わる大転換期にさしかかっているものと思われる。下記のセミナーでは自分の良く知っている分野についてどんな変化が起こっているのかを、ASCIIの遠藤さんに直接聞いて一緒に考えるワークショップをします。
関連セミナー 『今、TVを見ているのは誰だ』1万人調査データでフォーカスする顧客行動 2012年4月25日(水)