投稿日: Oct 03, 2015 1:42:15 AM
日本で50年前にグループサウンズなるブームが起こったのは、記事『Beat goes on (2)』のベンチャーズと、イギリスのリバプールサウンズが下敷きになっていたわけだが、これに類した現象は地球規模で起こっていた。最近気づいたのだが、アルゼンチンのこういったバンドの当時のテレビ映像がYouTubeにいろいろ上がっていて、それらを見ると結構レベルが高く、当時のイギリスのグループたちと遜色がないなあ、と思うこともしばしばだった。
コスチュームや髪型はやはりビートルズの真似であったりするが、音楽的にはヨーロッパ的だったり、ラテン系だったり、アメリカのR&B的であったりで、それぞれが一定レベルになっている。前2者はアルゼンチンの伝統であろうが、R&B的な音楽に関しては日本以上で、おそらくアメリカから直接なんらかレコードが入っていたと思われる。それは日本には無かったことである。またベンチャーズの影響が感じられないのも日本との違いである。
翻って考えれば、50年前というのは日本の戦後20年であって、popsが解禁になってそれほどは経っていなかったワケだから、小学唱歌と歌謡曲の環境で育った当時の若者が2~3年アメリカのヒットpopsを聞いてやりだしたグループサウンズが大した名曲を産まなかったのも当然かなと思う。当時の日本ではシンガーソングライター的な人も出てきて、その人たちはロックとは呼べないが結構今でも聞かれる歌を残している。子供の頃から音楽のレッスンを受けていた人もいた。音楽産業が作り出したアイドルグループとは異なるニューミュージックなるものが生まれていった。
YouTubeで古いブリティッシュロックの亜流バンドを見ていると、どこの国だか判らないものの方が多いのだが、ジャパンビンテージみたいなビザールギターをよくみかける。音もチープで可愛らしくもある。むしろフェンダーだのギブソンを見かけることの方が少ない。今は世界中似た楽器を使うようになっているのだろう。
記事『芸としてのパクり』『ロックの継承?』では、ロックの伝統芸能化について書いたが、すでにきっとBeatlesコピーバンドの世界大会などはあるのだろうから、それを拡大してリバプールサウンズ亜流、ブリティッシュロック亜流という分野を世界的に展開できる時期に来ているかもしれない。亜流で世界をつなげよう。