投稿日: Mar 05, 2015 12:13:56 AM
教材の電子化について記事『電子教科書の再挑戦』で採りあげ、教材の選択組み合わせは現場に任せるべきといったが、その教材は大きくは4分類できると思う。
図の縦軸は、どれだけの量を作るかであって、教科書はまとめて作られるのに対して個人指導ではその場限りであったり、パーソナライズ化した通信教育のように個別の1枚であったりする。その間に、クラス別先生別の参考書や資料があったり、塾での予習復習や夏や冬の補講など成績別の対応がある。クラスの先生は何らかのオリジナリティがあるかもしれないが、塾や補講は2次利用的である。個人指導はさらに的を絞りこんでの反復であろう。
図の横軸は、一つの内容を何回反復しているのかであって、最初に登場するのはみんな一律の教科書である。学習とは反復することなので、クラスでは演習や宿題などで教科書や講義内容を違う角度から反復する。以下、塾や個人指導への反復回数が増えていく。
そして反復の度合いが右方向に増えるに従って、教える単位としての対象人数は減っていき、教材の部数も小さくなるし、教材の範囲も部分的になっていく。宿題や塾や補講は、いわゆるプリントというものになるし、個人指導は個別問題ごとの取捨選択になる。
教材という点で見ると、教科書の方から個人指導に向かっては、カリキュラム→単元→ページ→個別問題、というようにブレイクダウンしている。つまり教育用コンテンツを使いまわすには、これら4分類の関連付けを考えておかねばならないことになる。それは従来からの教材の区分をデジタルでも踏襲するという意味ではなく、デジタル化によって、より分かりやすい教育システムに作新することに目標をおくべきだ。
例えば個人指導の段階でつまずいた受講生に対して、単に点をつけるだけではなく、教科書の何ページをみろ、という赤字を入れることが添削では行われることがあるが、デジタルならばその個所にリンクを貼って、その場で内容を見るようにできるし、類似問題をもう1問出して知識確認をすることもできる。
こういう、いろいろなやり方を現場に任せて、学習効果の高い教育方法を模索していくのがよいはずで、トップダウンだけでは電子教科書の効用はあらわれないと思う。
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