投稿日: Feb 05, 2015 12:30:13 AM
子供の頃から電子部品を通販でも買っていて、大学生の頃からはアメリカからsurplusの格安部品を買うようになった。当時はトランジスタやTTLのような半導体がいっぱい出てきた時代で、それらは市販品として出回ると同時に、B2Bでも大量供給されていて、市販品とは異なるOEM先の部品番号などがつけられる場合があった。そういう部品の余剰品は市販のルートでは売り難いので、「一山いくら」という売り方がされた。TTLの場合は各社共通の 74xx という番号付けがされているのが、わけのわからないハウスナンバーが刻印されて謎化した部品である。これらを一山いくらかで買った後に1つ1つチェックして 74xx の番号を自分で付けて使うのである。
これらの作業は一見壮大な無駄のように思えるが、大学生の時は時間があったし、また部品の理解の助けには相当なった。万能ICチェッカーを自作したくらいだった。秋葉原のジャンク屋もよく通って、得体のしれないプリント基板などを買って解析をした。図面を起こして何のためのモジュールであるのかを推測するのである。
当然使えるものは使った。例えば蛍光灯のインバーターにはものすごい種類とか方式があることがわかった。本にはない情報をジャンクから得るということは今も続いている。
秋葉原は電子部品やジャンクの街としてはすでに役目を終えていて、ここ数年は中国から怪しい電子部品やモジュールを買っていた。流通経路としては主にeBayを使っていた。よく中国製品は怪しいといわれるが、安いACアダプターを購入して中を分解したら、ひと回り小さいACアダプターが中に入っていたというような、マトリョーシカ式偽造もあった。
またパチモンが多くあった。それもICもパチモンが作られていて、本家と同じ部品番号が刻印されているにも関わらず、パソコンにつないでドライバを入れても本家のようには動かず、機能が省略されているものもあった。
しかしこのところeBayから怪しい中国部品やモジュールが消え始めている。中国の電子産業は下請け工場であるので、今までは使い残し部品などが流出していたのが、規制されるようになったのかもしれない。また生産拠点が中国以外に移動しつつあるのかもしれない。世界的に電子工業(特にパソコン関連)が不振なのかもしれない。
あるいはeBayのようなところに出すとヤバいものは、Alibabaとか中国国内向けECでさばくようになったのかもしれない。急に中国が紳士的になったとは考えられないので、怪しいものの流れが日本や欧米からは見えにくくなったとしか考えられない。
SIMのコピーやROMのコピー、クラッッキングのグッズもネットにはいっぱいあったのが、水面下に潜ろうとしている。
Top → Articles デジタルメディアビジネスの記事 過去記事→Archive