投稿日: Dec 07, 2013 1:11:27 AM
ライブの乗りをどう受け継ぐか
ローリングストーンズの50周年ツアーがやってくる。アブダビ・インドからニュージーランドまで、途中で東京で2014/2末から3月にかけて3日間の公演がある。TokyoDomeの外野席からでは本人は殆ど見えず、大方の人は巨大スクリーンを眺めていることになるのだろうが、場の雰囲気にはどこでも一緒に浸ることができる。前回の来日では、ウチの夫婦の前には、婆ちゃん+娘+孫娘の3人が並んでみていた。ロックもここまでファンが長続きして世代を超えて受け継がれるようになると、もう伝統芸能間近である。
先般のポールマッカートニーも次があるかどうかわからない。ローリングストーンズもこれが最後かもしれないと殆どの人が考えてチケットを買うだろう。本家が活動しなくなるとコピーバンドの重みが増すことになるのではないか。ポール来日の折には日本のBeatlesカバーバンドの人と会ったということだが、いっそのことBeatlesもRollingStonesもカバー認証というのを考えて、「正統なコピーと称するには、これらの曲を、このような基準で実演できなければならない」というものを残してくれるとよいと思う。昔と違って動画もふんだんに残せる時代なのだから、音だけでなくステージアクションや芸風も含めて継承してもらえるはずだし、それらの整理の意味もある。
日本的にいえば、Beatles流家元、RollingStones流家元、などのように継承させ、そこがBeatles師範とか、Stones免許皆伝をするようになるかもしれない。まあ制度化はともかくとして、実はロックの元祖でもある黒人音楽はそれに近いものがある。まずアメリカはヒット曲を出すタレントはグループ名とかアーチスト名がブランドとして残るので、それを所有している音楽事務所などは時代と共にメンバーを入れ替えながら音楽活動をさせていて、日本のダークダックスのようにメンバー固定ではなく、かなり短期間で入れ替えたりしながら、曲の水準やヒットを出すことに焦点を合わせている。
イギリスでも日本でもメンバーの入れ替えくらいはどこでもあるが、特定音楽家の芸風を別の人が引き継ぐという傾向はロックでは少ないのかなと思う(演歌などにはあるかもしれないが)。ローリングストーンズのキースリチャードは若いときからChuckBerryのコピーをしていて、ローリングストーンズが大スターになったあとで競演をするようになって、その時にキースリチャードがChuckBerryからギターの弾き方の細かい点について注意を受けている映像がYouTubeに複数あがっている。レコードで聴いているとどちらも同じようなギュインギュインという音の微妙な間合いなのだが、こういう呼吸がマンツーマンで伝えられてきたのが黒人音楽であったといえる。
黒人音楽は黒人の狭い世界での継承だったのが、伝統ロックは世界的な広がりの中での継承が課題になるだろう。