投稿日: Sep 21, 2011 10:37:37 PM
ケータイもパソコンと同じ道を行きつつあると思う方へ
AppleのiPhone5がauから発売ということで、auが勝つとかsbが負けるという論調もあるが、そのようなニュースや議論は意味がない。ケータイのキャリアと、ケータイデバイスと、コンテンツ・サービスは切り分ける(アンバンドリング)ことで発展するということはずっと前から言われていたことであって、たまたま世界の中で日本のアンバンドリングが遅れているというだけの話である。すでにDoCoMo回線でiPhoneを使うのに日本通信のSIMを買っている人もいるように、通信キャリアは客がMVNOであれKindleであれなんであれ、回線が利用されてナンボの商売なので、逆にデバイスの開発もサービスの開発もリスクをしょってまでやる必要は本来はないのである。コンピュータは一足先にハード・OS・アプリのアンバンドリングは出来上がっていて、それが今度はケータイにもやってきたのがスマホ・タブレットの時代といえる。
ケータイのキャリアの主業務は通信をするためのトークンのようなSIMを売ることになるだろう。日本でSIMをコピーするツール(何も書かれていないブランクSIMも必要だが)は何千円で売られていたりするが、香港では何百円で売っている。SIMはいくらコピーされたところで、いちどきにひとつの端末からしか使えなければキャリアにとって損害はないはずだ。日本のSIMのコピーや改ざんはハッキングのように見えるが、世界では必ずしもそうではなくて、例えば香港と深センを毎日行き来している人は、ケータイのキャリアが異なるので、一つのSIMに複数のキャリアへの接続情報を入れることで、どっちでもiPhoneが使えるようになる。そのために6in1とか16in1といって、6とか16のキャリアを入れられるブランクSIMとリードライトのデバイスが売られている。
つまりキャリアとしてはDoCoMoやKDDIが強いので、sbはデバイスやコンテンツ・サービスに力を入れたわけだが、デバイスは自分で作るわけではないので、今後はもっとコンテンツ・サービスの世界と緊密に開発をするようになるのではないだろうか。せっかくUstreamなどに出資をしているのだから、テレビ業界をあっと言わせるようなサービスを開発してくれると面白い。
デバイスはスマホやタブレットの様式がほぼ出来上がってきたので、しばらくはOSや操作性の充実の時期になるだろう。とはいってもWebOSの撤退とかで開発競争はさびしくなっている。しかし今までARM一色であったCPUにケータイCPUやIntelが参入してくるだろうから、また変化が起こるのではないか。
今日のAndroidのように年に2回もメジャーアップデートがあると、アプリ開発側はたまったものではない。今までi-modeのアプリを作っていたペースではAndroidへの鞍替えは難しいかもしれない。i-modeで稼いでいる会社は必死でAndroid化をするだろうが、賞味期限を切れたアプリはこの際に消えていって、アプリの世代交代になるのだろう。
つまりiPhone5で日本でも進むケータイ通信のアンバンドリングは、次なる変化の時代を予測させるものである。こういった変動に巻き込まれたくないで、しばらくは同じ環境で利用したいというところは、iPhone、iPadを選択せざるをえなくなるはずだ。